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打海文三『ドリーミング・オブ・ホーム&マザー』

2009-03-24 18:01:00 | ノンジャンル
 打海文三さんの作品で'08年に出版された「ドリーミング・オブ・ホーム&マザー」を読みました。
 幼馴染みで現在では編集者の田中聡とフリーライターのさとうゆうは、永年田中がファンであった作家・小川満里花と親しくなりますが、満里花の飼い犬が原因でSARSが流行し始め、暴動が起き、結局満里花はゆうを襲った飼い犬を射殺し、ゆうも犬に負わされたケガで死んでしまうのでした。
 この作品も読み始めてすぐに最後まで読むのを諦め、飛ばし読みしてしまいました。会話はやはり稚拙で、ストーリーには心惹かれるところがなく、ラストも重要な登場人物であるゆうが死んでいるのに、満里花と聡は楽しく毎日を過ごす様子が書かれていて、それまでのゆうの存在は何だったのかと、憤りを覚えるほどでした。登場人物が必要以上にセックスにこだわるところも、「愚者と愚者」と同じで違和感を覚えました。これは打海さんが亡くなった翌年に出版されているのですが、打海さんは最後までご自分が何のために小説を書いていたのか分からなかったでは、と思ってしまいました。
 死体の描写などかなりえげつないところもあるので、そうしたものがお好きな方にはオススメです。