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齋藤寅次郎監督『花ごよみ八笑人』

2011-05-27 03:09:00 | ノンジャンル
 齋藤寅次郎監督の'55年作品『花ごよみ八笑人』をスカパーの東映チャンネルで見ました。
 長屋の熊吉(堺駿二)と八五郎は、敵討ちのために同じ長屋に住む青池の妹の気を引くために、乾燥・アイロン・畳むまでをする洗濯機を発明し、長屋の女性たちに実演してみせますが、留造(益田キートン)の着物は洗剤の入れ過ぎでサイズが縮み、別の着物はダイヤルの回し過ぎで穴だらけとなり、黒い紋付は色抜きのスイッチを入れてしまい白紋付になりますが、もう一度同じスイッチを入れてやると黒に戻ります。そこへ国九郎親分の子分たちがやって来て、長屋を潰して種子島の射的場を作るための測量柱を立てようとしますが、騒ぎを聞きつけた青池によって退散させられます。その時に姿を現した国九郎の用心棒が自分たちの仇だと妹に知らされた青池は、すぐに国九郎の番屋へ駆けつけますが、髭を剃り落として別人の顔になった用心棒が仇と気付きません。玉城屋の娘・お玉は路上で簪を掏られ、お付きの亀吉は掏りに逆に因縁をつけられますが、通りかかった青池が助け、お玉は青池に一目惚れします。やはりお玉に一目惚れした若い殿様(大泉滉)は召使いを通して国九郎を玉城屋にやりますが、玉城屋は最初は猫と勘違いした後、娘のことと分かると色好い返事をせず、国九郎に恫喝されているのを盗み聞いた熊吉と八五郎は、その場の嘘で、お玉が明日留造と祝言を挙げると言います。国九郎が見張る中、お玉を招いた長屋で祝言の真似事をした熊吉と八五郎でしたが、夜になって裏から逃げ出そうとしたお玉は隣に住む青池に気付き、仲良く時を過ごします。茶番に気付いた国九郎は留造の部屋に踏み込み、隣の青池とお玉に気付きますが、内職の糊張りをしていた青池の部屋で糊にすべってしまい、紙に包まれたミイラのような姿となって番屋に担ぎこまれます。翌日青池は印篭を掏られ、その夜、用心棒は玉城屋を闇討ちにすると、その手にその印篭を握らせます。玉城屋と一緒にいた亀吉は熊吉らに助けられますが、ショックから記憶喪失になり、熊吉らが呼びに行った医者は、長屋の連中が診察料を10両も溜めているので診察を拒否します。熊吉らはお花見仮装コンクールの一等賞の賞金が10両なのを思い出し、敵討ちの仮装で出場することにします。翌日玉城屋の闇討ちの容疑で青池の元に国九郎率いる捕り物がやって来ますが、青池は抵抗し、路上に出ます。熊吉らは敵討ちの仮装は始めますが、本物と勘違いした武士が助太刀に入り、仇役の留造は逃げ回ります。そこへ青池と国九郎らの一団がやって来ますが、青池の斬った国九郎の髷が用心棒の鼻の下に貼り付き、青池は用心棒が自分の仇と気付き、見事本懐を遂げます。青池は仮装の一等賞も受け、花祭りで皆踊り騒ぐのでした。
 早回しの立ち回りや、カタカナ言葉の多用、猫のギャグや親分のミイラなど視覚的なギャグも多く、楽しませてもらいました。寅次郎監督のトーキーのコメディは、無声映画のコメディの雰囲気を色濃く残していて、毎回楽しませてもらいます。60分足らずの作品でしたが、見て損はないと思いました。

 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto)