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アキ・カウリスマキ監督『レニングラード・カウボーイズ、モーゼに会う』

2013-03-29 06:56:00 | ノンジャンル
 アキ・カウリスマキ監督・脚本・編集・製作の'94年作品『レニングラード・カウボーイズ、モーゼに会う』をDVDで見ました。
 “世界最悪のロック・バンドが成功を求め、故郷シベリアからアメリカへ旅立って5年。たどり着いたメキシコで独裁者のマネージャー、ウラジミールは砂漠の中へと行方をくらました。最初の1年こそ、バンドはトップ10入りし、結婚式や葬式にはひっぱりだこで、テレビ出演も決まるほどの成功を収めた。だが、その時テキーラの魔手が忍び寄った。わずか数カ月で、この魔の酒はメンバーの命を次々と奪い、生き残った者を犯罪に巻き込んだ。彼らは荒野へ逃れ、コンサート活動を続けたが、観客は時折通るヘビやサソリのみであった”の字幕。NYのホテルからの出演依頼があり、行こうと決めるメンバー。メキシコ国境の検問所を強引に突破しますが、パトカーの追跡に会い、荒野へ逃れます。“5日後コニーアイランドに迷い込む”の字幕。モーテルに入るメンバー。“仕事は大成功”の字幕。フラメンコを演奏しますが、客は無反応です。楽屋にウラジミールが現れますが、自分は皆を故郷へ戻すためモーゼとして再生したと言います。“6時間後”の字幕。明日ヨーロッパへ船で旅立ち、自分とは海上で合流し、その後、人目を避けてフランスを北上すると言うウラジミールは、なぜ一緒に出発しないのかと問われ、自分は土産を探さねばならないからと言います。夜の遊園地で遊ぶメンバー。メンバーがボートで旅立つのを見送ったウラジミールは、夜に自由の女神の鼻を盗みます。ヨーロッパの機内にはCIAの男が乗り、翼にはウラジミールがしがみついていて、メンバーと合流する時間になると翼から縄をつたって降りていきます。岩場に打ち上げられたメンバーを迎えに来る故郷の若者たち。彼らは赤いバスで出発します。“フランス ブルゴーニュ地方ブレスト”の字幕。ロシア民謡をアップテンポで演奏しますが、客は無反応で、その場で行われていたビンゴ大会でメンバーが最初に上がります。子供に金をたからせ、教会で集金するウラジミール。“アミアン”の字幕。1人で瞑想と祈りをするとバスを出たウラジミールは食事をしますが、他のメンバーも窓からバスを脱出し、食事します。CIAの男はプロデューサーのラサールと名乗り、ウラジミールにこの店で1週間演奏してくれと前金を渡します。ラサールはバスを調べ、鼻を自分の車に移そうとしますが、気付いたイゴールにやっつけられます。猿ぐつわされ、拳銃も奪われるラサール。ウラジミールはプールサイドでくつろぐメンバーにすぐ出発すると告げます。“ドイツ フランクフルト”の字幕。自由の女神の鼻の盗難で指名手配されていたウラジミールは寄った店に通報され、イゴール以外は皆逮捕されます。イゴールが鉄格子を斬り、すぐに脱出するメンバー。バスを使って1人で鼻を運んでいたラサールは、追い付いたメンバーに再び捕まり、追放されます。ラサールは拳銃自殺を試みますが、雷鳴が鳴り、思いとどまります。“ライプチヒ”の字幕。レーニン役のメンバーと聖書の言葉で対決するウラジミール。ラテン風の聖歌を歌う女性と伴奏するメンバー。なぜ故郷に帰ることになったかを、ウラジミールはレーニン役の男を使って、聖書の内容をレーニン風に説明させます。“ドレスデン”の字幕。静かな曲を歌うメンバー。ウラジミールはメキシコ部を探しに行くと、彼らは路上で腹が減ったと言う歌を自棄気味に歌っていました。すぐ車に戻れと言うウラジミール。“チェコでの休日”の字幕。洗濯をするメンバーや写真の現像をするイゴール。そこへラサールは長い口ひげをしてウラジミールの前に現れ、自分は予言者エリヤになったと言って、ウラジミールと箴言を言い合い、その結果、彼らに同行することを許されます。工場を見学するメンバー。岩を削岩機で削って水が出て喜ぶメンバー。その後、ポーランドでは重病のメンバーを助けるため、ラサールは歌うようにウラジミールに命じられ、見事にロックンロールを歌い、客から拍手をもらいます。彼らは無事シベリアの故郷に帰りつき、家族との再会を喜んで野外パーティをしますが、が、ラストの野外パーティでは、ラサールは1人『いとしのクレメンタイン』を歌いながらうらぶれて終わります。

 『レニングラード・カウボーイズ』の前作のヨーロッパ版といった趣きで、これもほとんどおふざけで作った映画といった印象でした。

 →Nature LIfe(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto