ガス・ヴァン・サント監督の'00年作品『小説家を見つけたら』をスカパーのBSイマジカで見ました。
ブルックリンの空地で仲間とバスケをするジャマールらは、向かいの建物の窓から自分たちを見ている男の噂をします。仲間に囃し立てられたジャマールは非常階段を使って“窓”の部屋に侵入し、本に満ちた部屋の机の上にあるナイフをリュックに入れますが、突然現れた人影に驚きリュックを置いて逃げ出します。数日後、“窓”の男にBMWで荷物を届けに来た若い男がジャマールに君はBMWが何なのか知らないのだろうと言うと、ジャマールはBMWについての膨大な知識を披露します。そこへ窓から落とされるリュック。中に入っていたジャマールのメモ帳には、赤ペンで無数の添削がしてありました。ジャマールは“窓”の部屋を訪れ、他にも見せたい文章があると言いますが、“窓”の男は“ここには2度と来ない”という文章を5千語で書いて来いと言います。ジャマールは言われた通り文章を書いて再訪すると、その言葉通り2度と来るなと言われ、ドアの下に書いてきた文章を差し入れ帰ります。
やがてジャマールと母は担任に呼ばれ、マンハッタン屈指の私立の進学校から転校の誘いが来ていると言われ、学費も免除されると言われます。進学校の使いの男と話すジャマールの姿を伺っていた“窓”の男は、また訪ねてきたジャマールに誰と話していたのか?と聞きますが、ジャマールは先日の文章を返してくれるなら教えると言い、男(ショーン・コネリー)に部屋に入れてもらえます。進学校の見学をし、案内してくれた理事の娘クレアと親しくなったジャマールは、バスケでも有力な選手として期待され、練習に参加します。最古参の教師クロフォードは、20世紀を代表する作家ながら生涯に1册の本しか書いていないフォレスターの本を教材として配りますが、その本の肖像写真は若き日の“窓”の男のものでした。ジャマールは早速フォレスターの元を訪れると、他人にはここでのことは言うなと約束させられ、文章の指導を受けるようになります。
ジャマールは転校すると、まもなく作文コンテストのことを知らされます。フォレスターは自分が過去に書いた文章を引っぱり出し、その最初の部分をそのままタイプして、その先は思うがままに書いてみろと言い、ここで書いたものは絶対に外には持ち出すなとも言います。作文がよくなったとジャマールを誉めるクロフォード。バスケの第1戦で大活躍し、その夜のパーティで大勢の人から名刺をもらったジャマールはクレアとベランダで体を寄せ合いますが、それを見たクレアの父は2人を遠ざけます。フォレスターのアドバイスにしたがって、思いがけない贈り物をしてクレアに喜ばれるジャマール。
やがて作文コンテストの審理が始まりますが、クロフォードはジャマールの作文がうますぎると思い、その題名が過去のフォレスターの書いた新聞記事の副題と同じで、書き出しもまったく同じと気付き、剽窃の疑いがあると言い出します。クロフォードはジャマールを呼び出し、出典を明記しなかったことに対する謝罪文を公の場で朗読するか、懲罰審理にかけられるか、どちらかを選べと言います。ジャマールはフォレスターに助けを求めますが、外に持ち出すなと言っただろうと言って彼は助けてくれません。ジャマールはバスケのコーチにチームが優勝したら作文の件は不問に期すことにしたと言いますが、チームはジャマールのせいで負けてしまいます。それをテレビで見ていたフォレスターは夜、自転車で町に走り出します。
“作文シンポジウム”に現れたフォレスターは自らの名を名乗り、友情の美しさを語った文章を読み上げ、クロフォードの絶賛を受けると、その文章はジャマールが書いたもので、自分は口を封じられた彼のためにここに来たのだと言います。抵抗するクロフォードを抑えて、ジャマールの召喚を取り消す教授会長。拍手の嵐の中、ジャマールとフォレスターは去ります。“最終学年”の字幕。ジャマールはフォレスターの弁護士の訪問を受け、彼の死を告げられ、手紙と“窓”の部屋の鍵と鞄を受け取ります。膨大な本が収められた部屋と感謝の手紙を読むジャマール。鞄の中にはフォレスターの新作とジャマールによる序文の原稿があるのでした。
サント作品では、被写体をカメラが後退移動して捕え始めると、画面が一気に活気づくことに気付きました。『エレファント』では冒頭からそうでしたし、この映画でもコネリーが自転車に乗る場面がそうでした。
→Nature LIfe(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto)
ブルックリンの空地で仲間とバスケをするジャマールらは、向かいの建物の窓から自分たちを見ている男の噂をします。仲間に囃し立てられたジャマールは非常階段を使って“窓”の部屋に侵入し、本に満ちた部屋の机の上にあるナイフをリュックに入れますが、突然現れた人影に驚きリュックを置いて逃げ出します。数日後、“窓”の男にBMWで荷物を届けに来た若い男がジャマールに君はBMWが何なのか知らないのだろうと言うと、ジャマールはBMWについての膨大な知識を披露します。そこへ窓から落とされるリュック。中に入っていたジャマールのメモ帳には、赤ペンで無数の添削がしてありました。ジャマールは“窓”の部屋を訪れ、他にも見せたい文章があると言いますが、“窓”の男は“ここには2度と来ない”という文章を5千語で書いて来いと言います。ジャマールは言われた通り文章を書いて再訪すると、その言葉通り2度と来るなと言われ、ドアの下に書いてきた文章を差し入れ帰ります。
やがてジャマールと母は担任に呼ばれ、マンハッタン屈指の私立の進学校から転校の誘いが来ていると言われ、学費も免除されると言われます。進学校の使いの男と話すジャマールの姿を伺っていた“窓”の男は、また訪ねてきたジャマールに誰と話していたのか?と聞きますが、ジャマールは先日の文章を返してくれるなら教えると言い、男(ショーン・コネリー)に部屋に入れてもらえます。進学校の見学をし、案内してくれた理事の娘クレアと親しくなったジャマールは、バスケでも有力な選手として期待され、練習に参加します。最古参の教師クロフォードは、20世紀を代表する作家ながら生涯に1册の本しか書いていないフォレスターの本を教材として配りますが、その本の肖像写真は若き日の“窓”の男のものでした。ジャマールは早速フォレスターの元を訪れると、他人にはここでのことは言うなと約束させられ、文章の指導を受けるようになります。
ジャマールは転校すると、まもなく作文コンテストのことを知らされます。フォレスターは自分が過去に書いた文章を引っぱり出し、その最初の部分をそのままタイプして、その先は思うがままに書いてみろと言い、ここで書いたものは絶対に外には持ち出すなとも言います。作文がよくなったとジャマールを誉めるクロフォード。バスケの第1戦で大活躍し、その夜のパーティで大勢の人から名刺をもらったジャマールはクレアとベランダで体を寄せ合いますが、それを見たクレアの父は2人を遠ざけます。フォレスターのアドバイスにしたがって、思いがけない贈り物をしてクレアに喜ばれるジャマール。
やがて作文コンテストの審理が始まりますが、クロフォードはジャマールの作文がうますぎると思い、その題名が過去のフォレスターの書いた新聞記事の副題と同じで、書き出しもまったく同じと気付き、剽窃の疑いがあると言い出します。クロフォードはジャマールを呼び出し、出典を明記しなかったことに対する謝罪文を公の場で朗読するか、懲罰審理にかけられるか、どちらかを選べと言います。ジャマールはフォレスターに助けを求めますが、外に持ち出すなと言っただろうと言って彼は助けてくれません。ジャマールはバスケのコーチにチームが優勝したら作文の件は不問に期すことにしたと言いますが、チームはジャマールのせいで負けてしまいます。それをテレビで見ていたフォレスターは夜、自転車で町に走り出します。
“作文シンポジウム”に現れたフォレスターは自らの名を名乗り、友情の美しさを語った文章を読み上げ、クロフォードの絶賛を受けると、その文章はジャマールが書いたもので、自分は口を封じられた彼のためにここに来たのだと言います。抵抗するクロフォードを抑えて、ジャマールの召喚を取り消す教授会長。拍手の嵐の中、ジャマールとフォレスターは去ります。“最終学年”の字幕。ジャマールはフォレスターの弁護士の訪問を受け、彼の死を告げられ、手紙と“窓”の部屋の鍵と鞄を受け取ります。膨大な本が収められた部屋と感謝の手紙を読むジャマール。鞄の中にはフォレスターの新作とジャマールによる序文の原稿があるのでした。
サント作品では、被写体をカメラが後退移動して捕え始めると、画面が一気に活気づくことに気付きました。『エレファント』では冒頭からそうでしたし、この映画でもコネリーが自転車に乗る場面がそうでした。
→Nature LIfe(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto)