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須田郡司『世界石巡礼』

2013-04-06 08:42:00 | ノンジャンル
 ロマン・ポランスキー監督・共同脚本の'71年作品『マクベス』をWOWOWシネマで見ました。荒涼な野外シーンは魅力的で、殺陣などにリアルさが追求されていましたが、原作の独白をそのまま残していた部分が冗長でした。

 さて、宮田珠己さんが著書『はるか南の海のかなたに愉快な本の大陸がある』の中で紹介していた、須田郡司さんの'11年作品『世界石巡礼』を読みました。1年間で40ヶ国を巡り、世界中の奇岩・奇石を紹介した本で、紹介されているのは目次の項目数だけ見ても70もあります。
 その中で私が特に興味を引かれたのは、韓国の月出山で修行している、1日のほとんどを瞑想していて、睡眠時間は1、2時間程度だという僧侶、韓国の仁王山(縦におどろおどろしい溝が走っている、地面から盛り上がったような山)、モンゴルのエージハド(もっこりとした服を着せられて信仰の対象となっている)、中国・泰山の仙人橋(別々の岩が5つ斜めにお互いを押し付けあってアーチを作っている)、中国・丹霞山の陽元石(皮の剥けたペニスそのもの)、中国の石林(広大なカルスト地形)、同じく石林公園内の象距石台(象の上にまたがる人物の烏帽子、象の足までそのまんまの形)、ベトナム・香寺の巨大な石筍(太ったイチゴを逆さまにした形)、タイ・タオ島のバランシングストーン、インド・マドゥライのヤーナマライ山(平原の中に出現した巨大な山塊)、ヒンドゥー教は裸足でお参りすること、トルコ・カッパドキアのキノコ岩(太いシメジといった感じ)、エジプト・バルレイヤの白砂漠の奇石(砂漠の中にマシュマロ状の白い巨岩がいくつもある)、ギリシャ・メテオラの奇岩(もっこりと縦へ巨大な岩が聳え立っている)、イタリアのサン・ミケーレ洞窟教会とパレルモのサンタ・ロザリア聖堂(どちらも洞窟の壁面をそのまま使っている)、フランスのル・ピュイのディク岩(平原にもっこり聳える巨岩の上にサン・ミッシェル・デギュイユ礼拝堂がちょこんと乗っかっている)、ドイツ・エクステルンシュタイネの奇岩(幾つもの裂け目ができた巨岩が身を寄せあって聳えていて、それが丸太橋のようなもので繋がっている)、チェコ・チェスキーラーイのボヘミアンパラダイス(森の中から直方体に近い白い巨岩がいくつか聳えている)、アメリカ合衆国のキャニオン・デ・シェイのスパイダーロック(赤い尖塔が谷底から高さ244メートルまで一気に突き上げている)、アメリカ合衆国・コロラド州のメサベルデにある先住民の住居遺跡(断崖を削り作られた、日本の竪穴式住居跡のような円錐形の跡で、中には石壁に四角い窓が作られているものもあり、小人の住居跡のように見える)、アメリカ合衆国・アーチーズ国立公園のランドスケープアーチ(両側から突き出た岩が段々細くなって真ん中で一緒になりアーチを作っていて、差し渡しの長さは88.4メートルで世界最長)、メキシコのバイエ・ロス・オンゴスの奇岩(卵が細い支柱で支えられているような奇岩が多く見られる)、メキシコのテオティワカン(模型に見える整然とした都市遺跡)、コロンビアのピエドラ・デル・ペニョール(平原にそこだけもっこりと現れた巨岩で、ファスナーのように頂上まで階段が作られ、頂上には展望台が作られ、チープな感じを出している)、エクアドルのインガピルカ遺跡の人面岩(額、眉間、眼窩、鼻梁、口、顎、首、すべてが揃っている横顔)、アルゼンチンのカンチャ・デ・ボチャ(広大な砂地に、直径数センチから数十センチの球体の石が100個近く点在している)、ブラジルのヴィラ・ヴェーリャ州立公園のタッサ(杯)岩(確かに杯の形をしているが、大きさがあまりに巨大で、くびれ方も尋常でない)、ブラジルのパイマテウスの奇岩(ヘルメット状の巨岩がどっかりと平行な岩棚の上に乗かっている)、オーストラリアのウエーブロック(まさに砕け散る前の大波の形をしている一枚岩で、高さ15メートル、幅110メートルあり、観光客は皆波乗りのような写真を撮っている)などです。
 文中では紹介されていても、本のページ数の関係か、写真としては紹介されていない、興味深い物件も多く、次回は写真集として出版されてもいいのではと思いました。あまりの奇怪さに、手許に置いておきたくなってしまった1册です。

 →Nature LIfe(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto