今日は木住野佳子さん誕生日! 今度も素晴らしい演奏をしてほしい思いをこめて、Happy Birthday!!
さて、天童荒太さんの'12年作品『歓喜の仔』上下巻を読みました。
信道は両親と弟を交通事故で失い、その後、伯父夫婦の家に預けられますが、早い独立を求められ、高校生になると新聞配達所に住み込んで働き、奨学金を借りて工業大学を出て、技術者として就職します。一方、その会社のオーナーの娘である愛子は一人娘ということもあり、厳しい父の監視下に置かれ、男女交際もほとんどないまま、信道と出会い、二人はデートを重ねます。しかし信道は家族を一気に失った心の傷が癒えずに、また家族を守る自信もなく、なかなか愛子にプロポーズができません。それを見かねた信道の従兄は、愛子の24歳の誕生日に無理矢理彼女を犯した上で、ちゃんとした相手を探せと彼女に言い、愛子はその日のうちに信道を呼び出し、強引に彼をベッドに誘います。そして妊娠4ヶ月の時に二人は結婚式を挙げます。
しかし従兄と愛子の関係を知った信道はうつ病になり、会社を休職し、一人でできる仕事として鍼灸師の資格を取り、やがてその道で成功します。そこへまた従兄が現れ、自分は今まで恵まれない人生を送ってきたが、やっとチャンスが来た、知り合いの証券マンが会社合併の情報を手に入れ、資金があれば大儲けできるので、客を紹介してほしいと言ってきます。信道は言われるままに、鍼灸院の上客である社長夫人を紹介し、彼女も知人を何人か紹介すると、従兄が言っていたように株価は急上昇し、信道は社長夫人らに感謝されますが、彼らは欲をかき、新たな投資先を探した結果、それまでの儲けを全て吐き出すこととなり、従兄はそれを取戻すため、必要な見せ金を金融会社から借り、信道は連帯保証人のサインと押印をさせられてしまいます。
証券マンは金を持ち逃げし、社長夫人らからは「先生だから信用していたのに」と文句を言われ、やがて詐欺事件として起訴され、従兄はもちろん、信道も事情聴取され、鍼灸院も悪い噂が流されて客足が遠のくようになります。
ある日、二人の男が連帯保証人の証書を持って現れ、借金を返すように信道と愛子に迫ります。信道は自己破産を考えますが、従兄はとりあえず逃げた方がいいと言って、信道と愛子、そして彼らの子供、長男の誠、次男の正二、一番下の娘・香とともに東京のアパートに住まわせます。しかし、結局そこも取立て屋の知られることとなり、信道は女と逃げ、愛子は神経を病んで窓から飛び降り、植物人間になります。残された3人の子供は取立屋の言うままに働くこととなり、誠は高校を中退して、午前中は生活費のために市場で働き、午後から夜にかけては取立屋の指定した中華料理店で、そこから帰宅してからは正二と一緒に、これまた取立屋から命じられた覚醒剤の袋詰め作業をさせられます。やがて占領軍の町で運び屋をする少年を夢想するようになる誠は、取立屋に紹介されたヤクの売り子の少女と親しくなります。正二は学校で虐められるようになりますが、ぎりぎりのところで対処し、自宅のアパートの前の工場跡に立つプレハブ小屋で体を売る少年のルスランと親しくなります。香は幼稚園で、母に殺されそうになったカデナと親しくなり、死んだ人が見える2人は一緒に町を歩くようになります。
やがて、ルスランは帰国して敵と戦うことになり、正二は彼を助けてくれるように、教会で保護されている指名手配の犯人を密告しようとします。一方香は、カデナの母が福島の刑務所にいることを知り、幼稚園の仲間と一緒に、カデナの母に会いに行くことにします。そして‥‥。
あらすじを書こうとしてメモをしていたら、数十ページの文章を書くこととなり、天童さんの文章の無駄のなさ、魅力に改めて気付かされました。詳しいあらすじ、上記以降のあらすじに関しましては、私のサイト「 Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto)」の「Favorite Novels」の「天童荒太」のところにアップしておきましたので、興味のある方は是非そちらをご覧ください。大人が支配する世界の中で、傷つきながらも懸命に生きている少年少女の物語でした。
→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto)
さて、天童荒太さんの'12年作品『歓喜の仔』上下巻を読みました。
信道は両親と弟を交通事故で失い、その後、伯父夫婦の家に預けられますが、早い独立を求められ、高校生になると新聞配達所に住み込んで働き、奨学金を借りて工業大学を出て、技術者として就職します。一方、その会社のオーナーの娘である愛子は一人娘ということもあり、厳しい父の監視下に置かれ、男女交際もほとんどないまま、信道と出会い、二人はデートを重ねます。しかし信道は家族を一気に失った心の傷が癒えずに、また家族を守る自信もなく、なかなか愛子にプロポーズができません。それを見かねた信道の従兄は、愛子の24歳の誕生日に無理矢理彼女を犯した上で、ちゃんとした相手を探せと彼女に言い、愛子はその日のうちに信道を呼び出し、強引に彼をベッドに誘います。そして妊娠4ヶ月の時に二人は結婚式を挙げます。
しかし従兄と愛子の関係を知った信道はうつ病になり、会社を休職し、一人でできる仕事として鍼灸師の資格を取り、やがてその道で成功します。そこへまた従兄が現れ、自分は今まで恵まれない人生を送ってきたが、やっとチャンスが来た、知り合いの証券マンが会社合併の情報を手に入れ、資金があれば大儲けできるので、客を紹介してほしいと言ってきます。信道は言われるままに、鍼灸院の上客である社長夫人を紹介し、彼女も知人を何人か紹介すると、従兄が言っていたように株価は急上昇し、信道は社長夫人らに感謝されますが、彼らは欲をかき、新たな投資先を探した結果、それまでの儲けを全て吐き出すこととなり、従兄はそれを取戻すため、必要な見せ金を金融会社から借り、信道は連帯保証人のサインと押印をさせられてしまいます。
証券マンは金を持ち逃げし、社長夫人らからは「先生だから信用していたのに」と文句を言われ、やがて詐欺事件として起訴され、従兄はもちろん、信道も事情聴取され、鍼灸院も悪い噂が流されて客足が遠のくようになります。
ある日、二人の男が連帯保証人の証書を持って現れ、借金を返すように信道と愛子に迫ります。信道は自己破産を考えますが、従兄はとりあえず逃げた方がいいと言って、信道と愛子、そして彼らの子供、長男の誠、次男の正二、一番下の娘・香とともに東京のアパートに住まわせます。しかし、結局そこも取立て屋の知られることとなり、信道は女と逃げ、愛子は神経を病んで窓から飛び降り、植物人間になります。残された3人の子供は取立屋の言うままに働くこととなり、誠は高校を中退して、午前中は生活費のために市場で働き、午後から夜にかけては取立屋の指定した中華料理店で、そこから帰宅してからは正二と一緒に、これまた取立屋から命じられた覚醒剤の袋詰め作業をさせられます。やがて占領軍の町で運び屋をする少年を夢想するようになる誠は、取立屋に紹介されたヤクの売り子の少女と親しくなります。正二は学校で虐められるようになりますが、ぎりぎりのところで対処し、自宅のアパートの前の工場跡に立つプレハブ小屋で体を売る少年のルスランと親しくなります。香は幼稚園で、母に殺されそうになったカデナと親しくなり、死んだ人が見える2人は一緒に町を歩くようになります。
やがて、ルスランは帰国して敵と戦うことになり、正二は彼を助けてくれるように、教会で保護されている指名手配の犯人を密告しようとします。一方香は、カデナの母が福島の刑務所にいることを知り、幼稚園の仲間と一緒に、カデナの母に会いに行くことにします。そして‥‥。
あらすじを書こうとしてメモをしていたら、数十ページの文章を書くこととなり、天童さんの文章の無駄のなさ、魅力に改めて気付かされました。詳しいあらすじ、上記以降のあらすじに関しましては、私のサイト「 Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto)」の「Favorite Novels」の「天童荒太」のところにアップしておきましたので、興味のある方は是非そちらをご覧ください。大人が支配する世界の中で、傷つきながらも懸命に生きている少年少女の物語でした。
→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto)