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ロバート・シオドマク監督『幻の女』

2013-12-14 10:10:00 | ノンジャンル
 ロバート・シオドマク監督の'44年作品『幻の女』をDVDで見ました。
 奇妙な帽子を被って一人でバーの飲む女。スコットは今夜のショーの切符が一つ余っているので一緒に行かないかと誘い、女は「今晩だけの付き合いよ」と念をさして誘いに乗ります。アルプという名前の運転手のタクシーに乗って劇場に行く二人。ショーではドラマーのクリフ(イラシャア・クック・ジュニア)が盛んに女に目をやり、歌手のモンテロは女が自分と同じ帽子を被っているので、楽屋に帰ると、帽子を捨てさせます。
 スコットが帰宅すると、バージェス刑事ら3人の警官が待っていて、妻のマルセラが殺されていました。最近夫婦仲が悪く、今日は結婚記念日なので、それをきっかけに仲直りをしようと、得意先のネルソン夫妻も呼んで乾杯したにもかかわらず、夫妻が帰ると、急に外出したくないと言い出し、スコットが離婚を切り出すと、妻は妻でいる気もないし別れる気のないと言って、スコットを苛立たせたと言います。マルセラの死亡推定時刻の8時頃には、バーに見知らぬ女といて、その後、ショーに行ったと言いますが、女は名前はを言わず、刑事はあんたのネクタイで奥さんが殺されたのだと言います。
 スコットの助手のキャロルは職場の新聞で事件のことを知ります。いつも通り仕事をしようと努めるキャロル。スコットは刑事とともに女といたバーを訪ねますが、バーの主人はスコットのことは覚えていても、女は知らないと言います。タクシー運転手のアルプもスコットのことしか覚えていないと言います。歌手のモンテロも自分と同じ帽子を被った女などいるはずがないと言い、スコットらは追い出されます。
 裁判所では、被告の言い分が次々と否定されていきます。絞殺の様子も検察側によって生々しく再現され、陪審員裁判の結果は有罪になり、死刑の判決を受けます。スコットは自棄を起こして控訴など無駄だと言いますが、キャロルは「あなたは人殺しなどできる人じゃない。女の人を探すのよ」と言います。
 バーの主人を見張るキャロル。「誰に買収されたの?」と詰め寄るキャロルから逃れようとした主人は、道に飛び出し車に轢かれて死にます。キャロルが帰宅すると刑事が待っていて、いかにも嘘っぽい証言をし続けるスコットは自分も無実だと思うと言い、キャロルに協力することになります。
 キャロルはクリフを誘惑し、彼の部屋に潜入し、帽子の件である男から五百ドルもらったことをクリフは白状します。刑事にもらったメモをクリフに見つかってしまったキャロルは部屋を逃げ出しますが、その後、クリフの前に現れた男はクリフを絞殺します。
 判決が下ってから18 日、南米に行っていたはずの友人マーロウが来てくれます。キャロルから残りの目撃者はモンテロだけだと教えられるマーロウでしたが、モンテロも明日には移動していまうことが分かります。同じ帽子を持っていた女がいたことを認めないモンテロ。空になったモンテロの楽屋を探しながら、
 翌朝モンテロのホテルをキャロルが訪ねると、モンテロは既に発った後でした。モンテロの荷物にケティシャ店の帽子の箱をを見つけたキャロルは、ケティシャでモンテロの帽子のコピーを作った娘に会います。依頼者は常連客のアン・デリー嬢とのこと。キャロルはアンの元を訪ねると、最近婚約者を亡くし精神的に追いつめられているとアンの医者に言われます。嫁入り道具のことは話すのも嫌と言うアンを残して一旦部屋を出たキャロルが再びアンの部屋に戻ると、例の帽子をアンが箱から出しているところでした。キャロルはアンに頼んでその帽子を貰い、刑事に電話をしようとしますが、自分がかわりに掛けようと言ってマーロウが電話を掛けるふりをします。マーロウは祝杯を上げようとキャロルを自宅へ招きますが、キャロルは引出しの中にクリフの部屋に残してきた自分のカバンを見つけます。私が初めて愛した女が君だとマルセラに言うと、彼女は笑い続けたのだとマーロウは言い、一旦乗った船から降りて彼女を殺し、飛行機で船の先回りをしたのだと言います。今にもマーロウがキャロルを絞殺しようとした時、刑事が現れ、マーロウは窓を突き破って転落死します。釈放されたスコットはキャロルにこれからはずっと夕食を一緒にしようと言うのでした。

 マーロウの異常さに特にフィルムノワールの雰囲気が強く漂う映画で、一度見た憶えのある映画でした。

 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto