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黒沢清監督『クリーピー 偽りの殺人』その2

2018-01-29 06:37:00 | ノンジャンル
 昨日の続きです。
 路上で西野「あっ、奥さん、今度本当に妻に会ってやってください。鬱病でどうすればいいのか。もう精も根も尽き果てました」。
 高倉「サキさん、思い出したことを教えてください」。サキ「失踪前後の家族のことです。母が誰かと電話していました。見てはいけないものを見てしまったような気がして。母はいくつかの金融会社から借金をしていたので、相手に支配されていたのだと思います。別の日にも母は電話していました。ひそひそと。ふっと笑ったり甘えてみたりして。警察にはこの話はしていません。父は仕事が忙しく、ほとんど会いませんでしたが、やはり深夜に電話しているのを見ました。ごく普通に、笑ったりちょっと怒ったり。あれも母と同じ相手かもしれません。どうしてそう思うかは分かりません。兄は高校生で、たまに遅く帰ってきて酒の臭いをさせていました。誰かに無理やり飲まされたようで。それも同じ人だった気がします」(中略)
 高倉「ただいま」ヤスコ「お帰り。西野さんに料理を教えることにしたの。ミオちゃんにかな?」。4人、食卓につく。高倉「俺、ワインを取ってくる」西野「おいしい。奥さん、料理の天才ですね」「それはミオちゃんが作ったんですよ」「これもうまい」高倉「西野さん、仕事は何を?」「ちょっとした協会の理事です」「どんな協会?」「株式関係の」「具体的には?」「この仕事はきれいごとでは済まないものなんです。娘の前で話すことじゃないし、また改めて。その時には面白い話もできますよ」。
 高倉「変わった人だ。信用できない。勘だが」「刑事の? あなた、変わらないわね」。
 サキ「修学旅行に行く前の日、居間で3人が話し合っていたんです。ちょうどいい。一週間家を空けるのでと。誰かと会うつもりだったのでは?」高倉「その人を見かけたことは?」「その人がじっと見つめていたような」「もっと具体的に」「その人は見上げていました。私は見下していてちょうど目が合って。そう、この窓からです。隣の庭から見上げていました」野上「水田の家です。今は空き屋です」サキ「あまり親しくしていませんでした。名前も記憶にありません」高倉「これで少しは近づけた。3人はどこかで生きているでしょう。多分」。
 電車内。老人に席を譲る西野。目が合い、会釈する西野と高倉。
 高倉「西野さんも電車に乗られたりするんですね」西野「週に一回会合があって。以前は毎日乗っていました。大検出版の営業をしてました」「私は東洛大学の教師をしています」「事務に竹内さんっていましたよね。懐かしいなあ。それじゃあまた。一杯やりましょう」。
 水田宅を捜索する野上。異臭に鼻をハンカチでふさぐ。やがてビニール袋に包まれた遺体を発見する。
 アナウンサー「廃屋で遺体が発見されました。失踪していた家族の隣の家で、遺体は5体。身元は不明です」。野上「本田家の3人と水田家の2人だ。これで全員ってことになると、サキが言っていたのは誰のことだ?」。
 ペットの犬のマックスがいないのに気づくヤスコ。マックスは公園で西野といる。「逃げ出したみたいだったので、保護してました。これからは奥さんのことをヤスコさんと呼んでもいいですか? もっと自由に話し合いましょう。(自分の顔をヤスコの顔に近づけて)ご主人と僕とどっちが魅力的ですか?」。
 野上「水田は失踪前に会社に行っていなかった。死んだのは水田じゃない」。
 路上でミオに声をかけられた高倉「何?」ミオ「高倉さん、あの人お父さんじゃないの。全然知らない人」。西野、ヤスコと現れ、「あっ、どうも」ヤスコ「マックスが逃げて西野さんが捕まえてくれたのよ」(中略)。
 階段で電話するヤスコ。高倉「なんで居間でしない?」。キレるヤスコ。高倉「急にどうした?」ヤスコ「分からない」。
 食卓。ヤスコ「さっきはごめんなさい。どうかしてた。電話の相手は高校時代の友達。新しい環境になかなか慣れなくて」「実は俺も昔の事件に関わっている。分かってる。自分が刑事に向いてないって」。
 マックスを散歩させる高倉。
 高倉、野上に「西野雅之について調べてほしい。変なことに気づいた。本田家と水田家の位置関係と、我が家と西野家との位置関係が同じなんだ」。
 高倉、近所の人に「西野さんのご主人はずっとあの人でしたか?」「あれは鬼よ。人間じゃない」。
 書類。「水田文夫 職業;協会理事」「西野雅之 職業;協会理事」。
 野上、西野宅を訪れる。西野「ちょっと待っててください」。野上、西野雅之の免許証を見ると、西野と別人。西野がなかなか出てこないので、「失礼します」と言って家の中に。金属の扉を引き開ける野上。
 帰宅する高倉。いきなり隣家の田中宅が爆発。
 翌朝。現場検証。(また明日へ続きます……)

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P.S 昔、東京都江東区にあった進学塾「早友」の東陽町教室で私と同僚だった伊藤さんと黒山さん、連絡をください。首を長くして福長さんと待っています。(m-goto@ceres.dti.ne.jp)