恒例となった、東京新聞の水曜日に掲載されている斎藤美奈子さんのコラムと、同じく日曜日に掲載されている前川喜平さんのコラム。
まず1月29日に掲載された「誰か解説して!」と題された、斎藤さんのコラム。その全文をこちらに転載させていただくと、
「二十七日から始まった衆院予算委員会。大相撲式の実況担当アナウンサーと解説者がいたらいいのにと思った。
菅義偉官房長官「(桜を見る会招待客名簿の電子データ廃棄記録が開示できないのは)同じシステムを国家安全保障局も利用しており国家機密漏えいの危険が増す」
【アナ】おおっと、土俵際まで追い詰められた官房長官、渾身(こんしん)の返し技です。たかだか名簿の廃棄記録が安全保障にかかわるのでしょうか。
【解説者】招待客名簿自体が国家機密だってことですね。名簿の漏えいはもちろん廃棄日が特定されたら、どこかからミサイルが飛んでくると思っている。それほどマズイ名簿なんですよ。
安倍晋三首相「(前夜祭に久兵衛のすしが出されたと言われたことは)まったくのデマだった。久兵衛は大変お怒りだったと伺っている」
【アナ】安倍総理、すしで激昂(げきこう)しています。大丈夫でしょうか。
【解説者】自身の大きな非は認めないが、相手の小さなミスは全力で責め立てる。負けが込んでいる人の特徴です。横綱相撲ではないですね。
麻生太郎財務相「われわれ、マーケットと仕事してますんで、野党と仕事してんじゃない」
【アナ】ひどい発言。勇み足ではないですか。
【解説者】いや、本音でしょう。審判は物言いを付けないと(ほんとだよ)。」
そして1月26日に掲載された「説明しない理由」と題された前川さんのコラム。
「衆参本会議の代表質問。桜を見る会疑惑や閣僚らの不祥事について安倍首相はどう説明したか。
招待者名簿電子記録のログ(廃棄記録)については「セキュリティー上問題がある」。後援会による不特定多数の参加者募集や推薦者数については「記録が残っていない」。桜を見る会を含むツアーについては「主催企画は旅行会社だった」。
公職選挙法違反や政治資金規正法違反が疑われる前夜祭。明細書については「営業の秘密にかかわるから公開を希望しないというホテルの意向を尊重」。領収書については「ホテルが参加者に発行した領収書を後援会が回収することは困難」
ジャパンライフの山口元会長の招待については「個々の招待者やその推薦元は個人に関する情報だから、招待されたかどうかも含めて回答しない」。総理枠と思われる「60」という番号は「使用目的を終え、招待者名簿も廃棄したから、その意味は定かではない」
秋元元IR担当副大臣の逮捕については「捜査に影響する可能性があるからコメントしない」。菅原前経産相、河井前法相夫妻についても「捜査に関する事柄は答えない」
「セキュリティー」「記録の破棄」「営業の秘密」「個人情報」「捜査への影響」。もっともらしい言葉で「説明しない理由」をつくり、結局ほとんど何も説明しなかった。」
さらに2月2日に「桜を見る会の追及」と題されて掲載された前川さんのコラム。
「衆参予算委で桜を見る会が連日追及された。内閣府の招待状は三月なのに、安倍事務所からは「二月吉日」付で参加申込者に「ご参加ありがとう」と連絡していた。安倍首相は「推薦すれば招待されるだろうとの安易な憶測のもと作業を進めた」と説明したが、「安易な憶測」ではなく「十分な確信」だろう。功績功労にかかわりなく参加者を募集したことについては、「幅広く募っているという認識だったが、募集しているという認識はなかった」と迷答弁。
ジャパンライフの山口隆祥元会長と「一対一のような形で会ったことはない」。山口氏を招待した責任については「個人情報だから回答しない」と逃げた。2018年の招待客増には総裁選対策の疑惑も指摘された。
招待客名簿を廃棄したのなら廃棄記録(ログ)があるはずなのに調べないと言う。安倍事務所推薦分の記録は後援会名簿に残っているはずと指摘されても「推薦者名簿以外に確認できる名簿等はない」。推薦したが招待されなかった人数は「記録がない」。「スタッフは記憶があるのでは」と迫られると「それは難しい」。「難しい」理由は思いつかなかったようだ。
前夜祭の明細書や領収書は出さず、「主催者は安倍後援会だがホテルとの契約当事者は個々の参加者」と無理な説明。違法性の疑いは濃厚だ。」
今回もどれも、読みごたえのある文章でした。
→サイト「Nature Life」(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto)
→FACEBOOK(https://www.facebook.com/profile.php?id=100005952271135)
まず1月29日に掲載された「誰か解説して!」と題された、斎藤さんのコラム。その全文をこちらに転載させていただくと、
「二十七日から始まった衆院予算委員会。大相撲式の実況担当アナウンサーと解説者がいたらいいのにと思った。
菅義偉官房長官「(桜を見る会招待客名簿の電子データ廃棄記録が開示できないのは)同じシステムを国家安全保障局も利用しており国家機密漏えいの危険が増す」
【アナ】おおっと、土俵際まで追い詰められた官房長官、渾身(こんしん)の返し技です。たかだか名簿の廃棄記録が安全保障にかかわるのでしょうか。
【解説者】招待客名簿自体が国家機密だってことですね。名簿の漏えいはもちろん廃棄日が特定されたら、どこかからミサイルが飛んでくると思っている。それほどマズイ名簿なんですよ。
安倍晋三首相「(前夜祭に久兵衛のすしが出されたと言われたことは)まったくのデマだった。久兵衛は大変お怒りだったと伺っている」
【アナ】安倍総理、すしで激昂(げきこう)しています。大丈夫でしょうか。
【解説者】自身の大きな非は認めないが、相手の小さなミスは全力で責め立てる。負けが込んでいる人の特徴です。横綱相撲ではないですね。
麻生太郎財務相「われわれ、マーケットと仕事してますんで、野党と仕事してんじゃない」
【アナ】ひどい発言。勇み足ではないですか。
【解説者】いや、本音でしょう。審判は物言いを付けないと(ほんとだよ)。」
そして1月26日に掲載された「説明しない理由」と題された前川さんのコラム。
「衆参本会議の代表質問。桜を見る会疑惑や閣僚らの不祥事について安倍首相はどう説明したか。
招待者名簿電子記録のログ(廃棄記録)については「セキュリティー上問題がある」。後援会による不特定多数の参加者募集や推薦者数については「記録が残っていない」。桜を見る会を含むツアーについては「主催企画は旅行会社だった」。
公職選挙法違反や政治資金規正法違反が疑われる前夜祭。明細書については「営業の秘密にかかわるから公開を希望しないというホテルの意向を尊重」。領収書については「ホテルが参加者に発行した領収書を後援会が回収することは困難」
ジャパンライフの山口元会長の招待については「個々の招待者やその推薦元は個人に関する情報だから、招待されたかどうかも含めて回答しない」。総理枠と思われる「60」という番号は「使用目的を終え、招待者名簿も廃棄したから、その意味は定かではない」
秋元元IR担当副大臣の逮捕については「捜査に影響する可能性があるからコメントしない」。菅原前経産相、河井前法相夫妻についても「捜査に関する事柄は答えない」
「セキュリティー」「記録の破棄」「営業の秘密」「個人情報」「捜査への影響」。もっともらしい言葉で「説明しない理由」をつくり、結局ほとんど何も説明しなかった。」
さらに2月2日に「桜を見る会の追及」と題されて掲載された前川さんのコラム。
「衆参予算委で桜を見る会が連日追及された。内閣府の招待状は三月なのに、安倍事務所からは「二月吉日」付で参加申込者に「ご参加ありがとう」と連絡していた。安倍首相は「推薦すれば招待されるだろうとの安易な憶測のもと作業を進めた」と説明したが、「安易な憶測」ではなく「十分な確信」だろう。功績功労にかかわりなく参加者を募集したことについては、「幅広く募っているという認識だったが、募集しているという認識はなかった」と迷答弁。
ジャパンライフの山口隆祥元会長と「一対一のような形で会ったことはない」。山口氏を招待した責任については「個人情報だから回答しない」と逃げた。2018年の招待客増には総裁選対策の疑惑も指摘された。
招待客名簿を廃棄したのなら廃棄記録(ログ)があるはずなのに調べないと言う。安倍事務所推薦分の記録は後援会名簿に残っているはずと指摘されても「推薦者名簿以外に確認できる名簿等はない」。推薦したが招待されなかった人数は「記録がない」。「スタッフは記憶があるのでは」と迫られると「それは難しい」。「難しい」理由は思いつかなかったようだ。
前夜祭の明細書や領収書は出さず、「主催者は安倍後援会だがホテルとの契約当事者は個々の参加者」と無理な説明。違法性の疑いは濃厚だ。」
今回もどれも、読みごたえのある文章でした。
→サイト「Nature Life」(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto)
→FACEBOOK(https://www.facebook.com/profile.php?id=100005952271135)