恒例となった、東京新聞の水曜日に掲載されている斎藤美奈子さんのコラムと、同じく日曜日に掲載されている前川喜平さんのコラム。
まず12月23日に掲載された「恋愛の作法」と題された斎藤さんのコラムを全文転載させていただくと、
「愛の不時着」「半沢直樹」「鬼滅の刃」。そんな派手めの映像作品が目立った年だったけど、二十一日配信の「東洋経済オンライン」で、コラムニストの木村隆志さんがこの秋放送の「重苦しいムードをやわらげるような3作の恋愛ドラマ」について書いている。
「この恋あたためますか」(TBS系)、「姉ちゃんの恋人」(関西テレビ・フジテレビ系)、「#リモラブ~普通の恋人は邪道~」。三作とも原作のないオリジナル脚本で、職場が舞台の恋愛劇で、スローな展開。世帯視聴率は低くても視聴者の評価は高く、ツイッターでも話題沸騰。十分成功といっていい、と。
なるほどねえ。付け加えれば、不倫なし、肉体関係なし、暴力的にぐいぐい迫るのもなし。婚活とか寿退社とかいう邪念もないのが好ましい。
十七日、「同意のない性行為はレイプである」とする法律がデンマークで成立した。ヨーロッパ諸国の中では十二番目。日本でも同様の法改正を求める動きが広がっている。性暴力とドラマは別と思われるかもしれないが、人は物語から恋愛の作法を学ぶ。小説もマンガも映画もドラマも性教育のツールなのだ。
「嫌よ嫌よも好きのうち」は過去の妄言と思うべし。「恋あた」「姉恋」は昨夜、「リモラブ」は今夜が最終回。さて新しい恋愛作法は根付きそうかな。」
そして、12月20日に掲載された「少人数学級のこれから」と題された前川さんのコラム。
「来年度から五年で、公立小学校の一学級の児童数の上限を35人にすることが決まった。新型コロナの感染防止や長期休校による学習の遅れの回復に苦労する学校現場や自治体、学界から少人数学級を求める声が高まっていた。他方、相次ぐ大型補正予算で財政規律が一挙に弱まった。この絶好の機会を逃(のが)さなかった文部科学省は、よく頑張ったと思う。中学校も含めた30人学級は、今後また頑張ってほしい。
既存の加配定数の一部を振り替えることは少し心配だ。少人数指導やチームティーチングができなくなるのは困る。新採教員が確保できるか、非正規教員が増えないかという心配もある。勤務条件の改善と非正規任用の規制が必要だろう。
現下の三密回避のためには、各自治体での国の計画を先取りした総人数学級化が望まれる。加配教員の学級担任への振り替えや特別支援学級と通常学級のインクルーシブな少人数学級への再編成など、現場での柔軟な対応も認めるべきだ。
将来的には、基礎定数を学級数で計算するのをやめ、加配定数は縮小し、学校ごとの定数を児童生徒の総数に応じて定めるようにするべきだ。特別支援学級も含め学級編成の権限は教育委員会から学校に降ろす。チームティーチングや通級指導も学校に任せる。教職員定数の使い方は現場に委ねるべきなのだ。」
また、12月27日に掲載された、「客室乗務員を学校へ」と題された前川さんのコラム。
「二十一日の記者会見で萩生田文科相は、新型コロナウイルスの影響で仕事が減った航空業界から、教員免許を持つ客室乗務員を学校現場に受け入れる考えを示した。
文部科学省は、来年度予算に九十億円を計上している「補習等のための指導員等派遣事業」の中で客室乗務員も受け入れる方針だという。教育委員会の非常勤職員として採用され学校に派遣されることになるが、その報酬額と現在の給与との差額は航空会社が負担することになるのだろう。
しかし、本当に意欲と能力のある人なら、補助的な非常勤職員ではなく、正規の教員として受け入れたらいい。客室乗務員に限らず、さまざまな分野で職業経験を積んだ人たちを教員として中途採用することは、学校教育を豊かなものにする上でも望ましいことだ。
特に教員採用氷河期に当たる四十歳前後の教員の数は全国的に少ないから、この年齢層の中途採用は積極的に行うべきだ。その際には、例えば三十五歳以上というような年齢を区切った特別枠を設けて面接や実技を重視した選考を行うことや採用後の処遇について職業人としての前歴を正当に評価した給与を支給することが必要だろう。
学校にさまざまな職歴を持つ人が加われば、教師集団の多様性が高まり、子どもたちの社会への目を大きく開かせてくれるに違いない。」
どのコラムも勉強になる文章でした。
→「Nature Life」(表紙が重いので、最初に開く際には表示されるまで少し時間がかかるかもしれません(^^;))(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto)
→FACEBOOK(名前を入れて、FACEBOOKに登録しておけば、ご覧になれます)(https://www.facebook.com/profile.php?id=100005952271135)
まず12月23日に掲載された「恋愛の作法」と題された斎藤さんのコラムを全文転載させていただくと、
「愛の不時着」「半沢直樹」「鬼滅の刃」。そんな派手めの映像作品が目立った年だったけど、二十一日配信の「東洋経済オンライン」で、コラムニストの木村隆志さんがこの秋放送の「重苦しいムードをやわらげるような3作の恋愛ドラマ」について書いている。
「この恋あたためますか」(TBS系)、「姉ちゃんの恋人」(関西テレビ・フジテレビ系)、「#リモラブ~普通の恋人は邪道~」。三作とも原作のないオリジナル脚本で、職場が舞台の恋愛劇で、スローな展開。世帯視聴率は低くても視聴者の評価は高く、ツイッターでも話題沸騰。十分成功といっていい、と。
なるほどねえ。付け加えれば、不倫なし、肉体関係なし、暴力的にぐいぐい迫るのもなし。婚活とか寿退社とかいう邪念もないのが好ましい。
十七日、「同意のない性行為はレイプである」とする法律がデンマークで成立した。ヨーロッパ諸国の中では十二番目。日本でも同様の法改正を求める動きが広がっている。性暴力とドラマは別と思われるかもしれないが、人は物語から恋愛の作法を学ぶ。小説もマンガも映画もドラマも性教育のツールなのだ。
「嫌よ嫌よも好きのうち」は過去の妄言と思うべし。「恋あた」「姉恋」は昨夜、「リモラブ」は今夜が最終回。さて新しい恋愛作法は根付きそうかな。」
そして、12月20日に掲載された「少人数学級のこれから」と題された前川さんのコラム。
「来年度から五年で、公立小学校の一学級の児童数の上限を35人にすることが決まった。新型コロナの感染防止や長期休校による学習の遅れの回復に苦労する学校現場や自治体、学界から少人数学級を求める声が高まっていた。他方、相次ぐ大型補正予算で財政規律が一挙に弱まった。この絶好の機会を逃(のが)さなかった文部科学省は、よく頑張ったと思う。中学校も含めた30人学級は、今後また頑張ってほしい。
既存の加配定数の一部を振り替えることは少し心配だ。少人数指導やチームティーチングができなくなるのは困る。新採教員が確保できるか、非正規教員が増えないかという心配もある。勤務条件の改善と非正規任用の規制が必要だろう。
現下の三密回避のためには、各自治体での国の計画を先取りした総人数学級化が望まれる。加配教員の学級担任への振り替えや特別支援学級と通常学級のインクルーシブな少人数学級への再編成など、現場での柔軟な対応も認めるべきだ。
将来的には、基礎定数を学級数で計算するのをやめ、加配定数は縮小し、学校ごとの定数を児童生徒の総数に応じて定めるようにするべきだ。特別支援学級も含め学級編成の権限は教育委員会から学校に降ろす。チームティーチングや通級指導も学校に任せる。教職員定数の使い方は現場に委ねるべきなのだ。」
また、12月27日に掲載された、「客室乗務員を学校へ」と題された前川さんのコラム。
「二十一日の記者会見で萩生田文科相は、新型コロナウイルスの影響で仕事が減った航空業界から、教員免許を持つ客室乗務員を学校現場に受け入れる考えを示した。
文部科学省は、来年度予算に九十億円を計上している「補習等のための指導員等派遣事業」の中で客室乗務員も受け入れる方針だという。教育委員会の非常勤職員として採用され学校に派遣されることになるが、その報酬額と現在の給与との差額は航空会社が負担することになるのだろう。
しかし、本当に意欲と能力のある人なら、補助的な非常勤職員ではなく、正規の教員として受け入れたらいい。客室乗務員に限らず、さまざまな分野で職業経験を積んだ人たちを教員として中途採用することは、学校教育を豊かなものにする上でも望ましいことだ。
特に教員採用氷河期に当たる四十歳前後の教員の数は全国的に少ないから、この年齢層の中途採用は積極的に行うべきだ。その際には、例えば三十五歳以上というような年齢を区切った特別枠を設けて面接や実技を重視した選考を行うことや採用後の処遇について職業人としての前歴を正当に評価した給与を支給することが必要だろう。
学校にさまざまな職歴を持つ人が加われば、教師集団の多様性が高まり、子どもたちの社会への目を大きく開かせてくれるに違いない。」
どのコラムも勉強になる文章でした。
→「Nature Life」(表紙が重いので、最初に開く際には表示されるまで少し時間がかかるかもしれません(^^;))(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto)
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