川上未映子さんの'12年作品『魔法飛行』を読みました。読売新聞のウェブサイト「ヨリモ」に「発光地帯」の題のもとで'10年2月22日から'11年7月4日の間に発表されたエッセイに、書き下ろしを含む加筆修正をしてできた本です。
全部で76編。散文詩のような川上さん独特の文体が健在で、例えば「しかし小説のことを考えると少しだけどきどきして眠い中にも興奮が盛りあがってくる時期で、こうなったら今すぐにでも書いてやろうか! 五十枚くらい! みたいな気持ちになるけれど待って待って、このもったいない気持ちをもっともっと溜めてから! を繰りかえす、そんなうきうき事情もあるんであって、書くまではなんだか恋愛しはじめのような頬を赤らめる感じもあるのだけれどそれもつかの間、書き始めるとすべてが煉獄に様変わりし、ベッドからでられない、消えたい、字なぞ読めるか書けるもんかの編み込みに宇宙が包まれてなにがもったいないことがあるだろうか、こうなったら担当者に明日にでも廃業を告げるしかない、しかし約束は社会の掟&言語の残虐な機能そのものであって、やるしかないのであって、でもわたしもうダメなのだ最初から、こうなったらおろろんおろろん謝って、や、でもなんで謝ることがあろう、おまえは書くことしかないのだから無理でも何でもやるんだよ、ひとり死ぬ気で(死ぬ気って‥‥)、できません、できろ、を無言のうちに繰りかえすシーツの皺に寄せては返す、とこういう具合になるのが今からわかってるから、これからさき四月五月とやってくる執筆まじで煉獄編、いったいどうしたらよいのでしょうか。」といった感じです。
漢字のフォントが「かな」のフォントより大きいのも、詩的な感じを強調しているようにも思えました。読んでて意味の分からない文章も多かったのですが、その辺はノリで乗り越えて読み通した感じです。詩が好きな方は、より楽しく読めるかもしれません。
→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/)
全部で76編。散文詩のような川上さん独特の文体が健在で、例えば「しかし小説のことを考えると少しだけどきどきして眠い中にも興奮が盛りあがってくる時期で、こうなったら今すぐにでも書いてやろうか! 五十枚くらい! みたいな気持ちになるけれど待って待って、このもったいない気持ちをもっともっと溜めてから! を繰りかえす、そんなうきうき事情もあるんであって、書くまではなんだか恋愛しはじめのような頬を赤らめる感じもあるのだけれどそれもつかの間、書き始めるとすべてが煉獄に様変わりし、ベッドからでられない、消えたい、字なぞ読めるか書けるもんかの編み込みに宇宙が包まれてなにがもったいないことがあるだろうか、こうなったら担当者に明日にでも廃業を告げるしかない、しかし約束は社会の掟&言語の残虐な機能そのものであって、やるしかないのであって、でもわたしもうダメなのだ最初から、こうなったらおろろんおろろん謝って、や、でもなんで謝ることがあろう、おまえは書くことしかないのだから無理でも何でもやるんだよ、ひとり死ぬ気で(死ぬ気って‥‥)、できません、できろ、を無言のうちに繰りかえすシーツの皺に寄せては返す、とこういう具合になるのが今からわかってるから、これからさき四月五月とやってくる執筆まじで煉獄編、いったいどうしたらよいのでしょうか。」といった感じです。
漢字のフォントが「かな」のフォントより大きいのも、詩的な感じを強調しているようにも思えました。読んでて意味の分からない文章も多かったのですが、その辺はノリで乗り越えて読み通した感じです。詩が好きな方は、より楽しく読めるかもしれません。
→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/)
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