昨日の続きです。
金融を監視する側の関係者に、特別な低金利で巨額の金を融資するように、実業界の大物から依頼される金融業者。メガバンクや大手金融のCEOが先導して、未曾有の金融詐欺を行ってきたこと、サブプライムで金融業者が大儲けしたこと、その仕上げとして、ブッシュとマスコミは国民の間に不安を煽って不況を泥沼化させたこと、国会議員の多くが金融機関に天下っていることが語られ、結局、クリントン政権からブッシュ政権にかけて、大手金融のゴールドマン・サックスが財務省、そして政府を牛耳ることになったことが明らかにされます。ブッシュ=ゴールドマンによる金融機関への援助法案は、一部の民主党議員の激烈な演説によって喚起された国民の反対により、一旦は否決されたものの、その直後から始まったゴールドマンによる民主党議員の取込み工作によって、数日後には700億ドル超の銀行への融資が下院で可決されてしまいます。
しかし、その融資の使途が明らかにされない一方で、金融トップによる融資の私有財産化のニュースが連日報道されるようになると、さすがに国民の怒りは爆発します。ムーア監督は自ら金を返してもらいに銀行行脚に出かけ、すべて門前払いを食いますが、富裕層への国民の怒りの兆しがデモという形で見え始めます。
オバマ大統領候補の演説が流れると、反オバマ陣営は彼を社会主義者だと批判します。しかし結局オバマは大統領に選ばれ、そのニュースを聞いた黒人女性は泣き出し、白人女性も涙を流します。銀行による差し押さえを停止させる保安官も現れ始め、ある町では差し押さえられて封鎖されていた家を、以前そこに住んでいたトロディ一家のために開放し、駆けつけた銀行の担当官と保安官たちをも撃退します。連邦議会では民主党の議員が、銀行が家の差し押さえに来ても居座りを続けて抵抗するように、と訴えます。職場でも新たな労働運動が起こり、不払いの給料を求めてのストがシカゴで起こると、マスコミも司祭も大統領も彼らを支持し、スト開始の6日後には会社と銀行が要求を受け入れることになります。ムーア監督は父がストを体験した'36年には、暴力が介在して流血事件が起こったのですが、ルーズベルト大統領によって派遣された州兵は、警察と、会社の雇われ暴力団の方へ銃を向けて労働者を守ったことを思い出し、ルーズベルト大統領による人権擁護の演説が流されます。そして、もしこの演説の内容が戦後実現されていたら、アメリカも現在の日本やヨーロッパ並みにに人権が保障される国になっていただろうと言い、ハリケーン・カトリーナによって水没した家々を写しながら、「こんな国に住みたくない。だから僕は戦う」と宣言し、AIGやJ.P.モルガンチェース、リコピア、メリルリンチ、証券取引所といった所に立ち入り禁止の黄色いテープを張り巡らして、民主主義を称揚した後、自分1人での運動ではもう無理だと語り、トニー・バビーノによるフランク・シナトラばりの「インターナショナル」が歌われ、エンディングロールが流れ始めます。その合間合間には「国民にとって金融機関は常備軍より危険だ トマス・ジェファーソン 1816年」の字幕、パイロットへの寄付の呼びかけ、「富の独占は人類の災いだ J・アダムズ 1765年」「米国では7.5秒に1軒差し押さえられている」「何人も必要最低限を所有、あとは国家に帰すべし ベンジャミン・フランクリン」「フリントの差し押さえ業者は失業者を出して撤退」「ウェルマートは農民年金をやめたが、今も大半が契約社員」「家を取り戻して8ヶ月後、銀行はトロディ一家を退去させることを断念」の字幕が示され、音楽がキリストの生涯を歌うカントリーに変わると、「上流階級は勝つべきじゃない W・バフェット、世界一の富豪 2007年」という字幕が示された後、「今すぐ行動を!」というムーア監督自身の呼び掛けが示され、映画は終わります。
キャピタリズムは「資本主義」を意味する英語であり、それがいかにアメリカで民主主義を毒してきたかが明確に、かつ激烈に描かれていました。蓮實先生はムーア監督を今までこき下ろしてきていますが、私は押し付けがましく独善的な部分があるとしても、画面とともに彼の思想を受け入れたいと思いました。字幕監修を森永卓郎さんがされているのも面白い発見でした。あっと言う間に見れてしまう映画です。オススメです。
金融を監視する側の関係者に、特別な低金利で巨額の金を融資するように、実業界の大物から依頼される金融業者。メガバンクや大手金融のCEOが先導して、未曾有の金融詐欺を行ってきたこと、サブプライムで金融業者が大儲けしたこと、その仕上げとして、ブッシュとマスコミは国民の間に不安を煽って不況を泥沼化させたこと、国会議員の多くが金融機関に天下っていることが語られ、結局、クリントン政権からブッシュ政権にかけて、大手金融のゴールドマン・サックスが財務省、そして政府を牛耳ることになったことが明らかにされます。ブッシュ=ゴールドマンによる金融機関への援助法案は、一部の民主党議員の激烈な演説によって喚起された国民の反対により、一旦は否決されたものの、その直後から始まったゴールドマンによる民主党議員の取込み工作によって、数日後には700億ドル超の銀行への融資が下院で可決されてしまいます。
しかし、その融資の使途が明らかにされない一方で、金融トップによる融資の私有財産化のニュースが連日報道されるようになると、さすがに国民の怒りは爆発します。ムーア監督は自ら金を返してもらいに銀行行脚に出かけ、すべて門前払いを食いますが、富裕層への国民の怒りの兆しがデモという形で見え始めます。
オバマ大統領候補の演説が流れると、反オバマ陣営は彼を社会主義者だと批判します。しかし結局オバマは大統領に選ばれ、そのニュースを聞いた黒人女性は泣き出し、白人女性も涙を流します。銀行による差し押さえを停止させる保安官も現れ始め、ある町では差し押さえられて封鎖されていた家を、以前そこに住んでいたトロディ一家のために開放し、駆けつけた銀行の担当官と保安官たちをも撃退します。連邦議会では民主党の議員が、銀行が家の差し押さえに来ても居座りを続けて抵抗するように、と訴えます。職場でも新たな労働運動が起こり、不払いの給料を求めてのストがシカゴで起こると、マスコミも司祭も大統領も彼らを支持し、スト開始の6日後には会社と銀行が要求を受け入れることになります。ムーア監督は父がストを体験した'36年には、暴力が介在して流血事件が起こったのですが、ルーズベルト大統領によって派遣された州兵は、警察と、会社の雇われ暴力団の方へ銃を向けて労働者を守ったことを思い出し、ルーズベルト大統領による人権擁護の演説が流されます。そして、もしこの演説の内容が戦後実現されていたら、アメリカも現在の日本やヨーロッパ並みにに人権が保障される国になっていただろうと言い、ハリケーン・カトリーナによって水没した家々を写しながら、「こんな国に住みたくない。だから僕は戦う」と宣言し、AIGやJ.P.モルガンチェース、リコピア、メリルリンチ、証券取引所といった所に立ち入り禁止の黄色いテープを張り巡らして、民主主義を称揚した後、自分1人での運動ではもう無理だと語り、トニー・バビーノによるフランク・シナトラばりの「インターナショナル」が歌われ、エンディングロールが流れ始めます。その合間合間には「国民にとって金融機関は常備軍より危険だ トマス・ジェファーソン 1816年」の字幕、パイロットへの寄付の呼びかけ、「富の独占は人類の災いだ J・アダムズ 1765年」「米国では7.5秒に1軒差し押さえられている」「何人も必要最低限を所有、あとは国家に帰すべし ベンジャミン・フランクリン」「フリントの差し押さえ業者は失業者を出して撤退」「ウェルマートは農民年金をやめたが、今も大半が契約社員」「家を取り戻して8ヶ月後、銀行はトロディ一家を退去させることを断念」の字幕が示され、音楽がキリストの生涯を歌うカントリーに変わると、「上流階級は勝つべきじゃない W・バフェット、世界一の富豪 2007年」という字幕が示された後、「今すぐ行動を!」というムーア監督自身の呼び掛けが示され、映画は終わります。
キャピタリズムは「資本主義」を意味する英語であり、それがいかにアメリカで民主主義を毒してきたかが明確に、かつ激烈に描かれていました。蓮實先生はムーア監督を今までこき下ろしてきていますが、私は押し付けがましく独善的な部分があるとしても、画面とともに彼の思想を受け入れたいと思いました。字幕監修を森永卓郎さんがされているのも面白い発見でした。あっと言う間に見れてしまう映画です。オススメです。
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