マイケル・ムーア監督・製作・脚本の'09年作品『キャピタリズム マネーは踊る』(原題『資本主義;ラヴストーリー』)をWOWOWで見ました。
監視カメラで捕えた銀行強盗の映像をバックにタイトルロール。ブリタニカ百科事典による古代ローマの説明に現在のアメリカの映像がカットインされます。「未来の人々はどのような映像を見て現在の文化を評価するだろうか?」というナレーションの後、猫でも水を流せるトイレ、保安官が民家に押し入って差し押さえの強制執行をするシーン、家を追い出され入り口を板でふさがれる住民、中間層の消滅を嘆く男性、代々守ってきた土地を奪われ泣く女性、復讐のために銀行強盗を誓う男性の映像が流されます。フロリダのスゴ腕不動産業者へのインタビューがなされた後、資本主義は貧富の差を拡大させると学者は述べます。
ムーア監督の父の時代の中間層が豊かだったこと、そしてそれはライバル国が第二次世界大戦で甚大な被害を被ったからだということが語られます。したがって、ドイツや日本などの国が復興するに従ってアメリカの中間層の崩壊は始まり、カーター大統領は富によって人の価値を判断することへ警鐘を鳴らしますが、そのことへの反動として現れたレーガン大統領は、富裕層を優遇し、企業がリストラや労働組合解体を行うのを支持します。ムーア監督はGM本社へ突撃取材を敢行しますが門前払いを食い、GMで30年以上働いた父とともに、父が働いていた工場の跡地を訪れます。
そして、銀行の融資中止で突然解雇された人々の悲嘆に暮れた様子が映され、その直後に、はしゃぐブッシュ大統領の映像の後、ブッシュが資本主義を礼讃する演説が流されます。民間少年収容所にささいな原因で不当に入れられた少年少女たちの証言。ハドソン川に旅客機を不時着させて時の人となった機長が、自分たちの置かれた劣悪な労働条件について連邦議会で訴えますが、出席している議員はわずかです。生活のために副業に追われるパイロットたちの証言、そして起こるべくして起こった旅客機の墜落事故。家族に無断で従業員に生命保険をかけ、従業員が死ぬと莫大な保険金をもらっている企業が多く存在することが語られ、それを知った家族の怒りも映されます。資本主義は悪だと語る神父や司教。『めまい』の音楽のもと、資本主義が善だと教え込まれる子供たちの映像。ウォール・ストリート・ジャーナル紙の編集者は、民主主義は必要ないとまで言います。彼が自分の正当性を訴えるために言及した憲法を実際に調べてみると、資本主義を保障するような文言は一言も見つけられません。そして、民主主義のシステムを導入して利益も賃金も上げ、リストラも回避している会社があることが紹介されます。
次に、以前、ポリオのワクチンを発見した学者が、特許を取らずに無償でその技術を提供したことが語られます。では現在はどうかというと、多くの大学生は巨額の学生ローンを抱えて卒業しているので、優秀な頭脳の持ち主は皆金融界へ流れていること、そして、政府による規制緩和で金融界がパニック状態に陥ったことが語られます。そんな中で生まれた商品・サブプライムローンによって家や畑を取り上げられた人々の様子が映され、銀行に雇われて自分の家族の家具を自らの手で燃やす男性は、銀行などで銃を乱射する人の気持ちが分かるようになったと言います。
と長くなったので、続きは明日に‥‥。
監視カメラで捕えた銀行強盗の映像をバックにタイトルロール。ブリタニカ百科事典による古代ローマの説明に現在のアメリカの映像がカットインされます。「未来の人々はどのような映像を見て現在の文化を評価するだろうか?」というナレーションの後、猫でも水を流せるトイレ、保安官が民家に押し入って差し押さえの強制執行をするシーン、家を追い出され入り口を板でふさがれる住民、中間層の消滅を嘆く男性、代々守ってきた土地を奪われ泣く女性、復讐のために銀行強盗を誓う男性の映像が流されます。フロリダのスゴ腕不動産業者へのインタビューがなされた後、資本主義は貧富の差を拡大させると学者は述べます。
ムーア監督の父の時代の中間層が豊かだったこと、そしてそれはライバル国が第二次世界大戦で甚大な被害を被ったからだということが語られます。したがって、ドイツや日本などの国が復興するに従ってアメリカの中間層の崩壊は始まり、カーター大統領は富によって人の価値を判断することへ警鐘を鳴らしますが、そのことへの反動として現れたレーガン大統領は、富裕層を優遇し、企業がリストラや労働組合解体を行うのを支持します。ムーア監督はGM本社へ突撃取材を敢行しますが門前払いを食い、GMで30年以上働いた父とともに、父が働いていた工場の跡地を訪れます。
そして、銀行の融資中止で突然解雇された人々の悲嘆に暮れた様子が映され、その直後に、はしゃぐブッシュ大統領の映像の後、ブッシュが資本主義を礼讃する演説が流されます。民間少年収容所にささいな原因で不当に入れられた少年少女たちの証言。ハドソン川に旅客機を不時着させて時の人となった機長が、自分たちの置かれた劣悪な労働条件について連邦議会で訴えますが、出席している議員はわずかです。生活のために副業に追われるパイロットたちの証言、そして起こるべくして起こった旅客機の墜落事故。家族に無断で従業員に生命保険をかけ、従業員が死ぬと莫大な保険金をもらっている企業が多く存在することが語られ、それを知った家族の怒りも映されます。資本主義は悪だと語る神父や司教。『めまい』の音楽のもと、資本主義が善だと教え込まれる子供たちの映像。ウォール・ストリート・ジャーナル紙の編集者は、民主主義は必要ないとまで言います。彼が自分の正当性を訴えるために言及した憲法を実際に調べてみると、資本主義を保障するような文言は一言も見つけられません。そして、民主主義のシステムを導入して利益も賃金も上げ、リストラも回避している会社があることが紹介されます。
次に、以前、ポリオのワクチンを発見した学者が、特許を取らずに無償でその技術を提供したことが語られます。では現在はどうかというと、多くの大学生は巨額の学生ローンを抱えて卒業しているので、優秀な頭脳の持ち主は皆金融界へ流れていること、そして、政府による規制緩和で金融界がパニック状態に陥ったことが語られます。そんな中で生まれた商品・サブプライムローンによって家や畑を取り上げられた人々の様子が映され、銀行に雇われて自分の家族の家具を自らの手で燃やす男性は、銀行などで銃を乱射する人の気持ちが分かるようになったと言います。
と長くなったので、続きは明日に‥‥。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます