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フラレ・ピーダセン監督『わたしの叔父さん』

2021-04-16 00:55:00 | ノンジャンル
 神奈川県厚木市にある「あつぎのえいがかん kiki」で、フラレ・ピーダセン監督・脚本・撮影・編集の2019年作品『わたしの叔父さん』を観ました。
 老いた叔父と若い娘が酪農をして平和に暮らしているのですが、そこに若い娘に恋する青年が現われ、自分と一緒にコペンハーゲンに行こうと誘い、獣医も酪農の才能がある娘を酪農大学に入れるべく、コペンハーゲンに誘うのですが、娘の留守中に叔父が倒れ、若い娘はすぐに家に戻り、また平和な二人の暮らしが始まるといった映画で、青年が現われるまでは極端にセリフが少なく、とても静かな映画だったのですが、底には熱い「情熱(パッション)」が感じられる映画でもありました。監督は脚本・撮影・編集も一人で成しとげたフラレ・ピーダセンという方で、私は初めて聞く名前でした。覚えておかなければならないデンマーク語を話す監督だと思いました。
 そして、デンマークと言えば、ゴダールの最初の妻で女優・歌手でもあるアンナ・カリーナの生まれ故郷であり、映画史的に見れば『奇跡』などを撮影したカール・テオドア・ドライヤーが生涯デンマークで映画を撮ったところでも知られています。この映画の中年の獣医の名前が「ヨハネス」なのは、『奇跡』で「自分は神である」と唱えて気狂い扱いされる者の名がやはり「ヨハネス」だったことを思い出させてくれました。
 いずれにしろ、淡々とした物語の中に、美しい景色や構図の美しさ、映画で2度現われる主人公の娘が電話するときの大胆な構図など、見所満載の映画でした。1時間50分という長さの映画でしたが、退屈せずに見ることの映画だったのでは、と思います!!

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