ジャ・ジャンクー監督『青の稲妻』

　今日母と八景島シーパラダイスに行ってきました。驚いたのは雀がすぐ近くに来ても逃げないこと！　今まで１人で２回来ていたのですが、まったく気付きませんでした。どうしてなのでしょう？

　さて、ジャ・ジャンクー監督の'02年作品「青の稲妻」をDVDで見ました。
　高校を出て仕事をしていないシャオジイと失業したばかりのビンビンは無為な生活を送っています。シャオジイはモンゴル王酒のキャンペーンガールをしているチャオチャオに一目惚れし、キャンペーン会場に行き、チャオチャオの情夫のチャオサンに会うと、チャオサンはチャオチャオにキスしてやれと言います。ビンビンは母に勧められて軍に入ることを決意し入隊検査を受けますが、前日に起きた工場爆破事件でケガ人が殺到している病院ではチャオチャオの父が入院費の滞納で部屋を追い出されチャオチャオが病院に抗議しているところにシャオジイが通りかかり、チャオチャオの通帳を預かってお金をおろすために銀行へ向かいます。チャオチャオは戻ってきたシャオジイを食事に誘い、二人はそのままディスコに行きますが、そこでシャオジイはチャオサンの部下に痛めつけられ、チャオサンは拳銃を持っていることを示します。ビンビンは叶わない相手だと止めようとしますが、シャオジイは言うことを聞かず、チャオチャオと関係を持ちます。ビンビンは肝炎にかかっていることが分かって入隊できなくなり、感染の恐れがあることから彼女とも別れることを決心します。そして刑務所を出たばかりのウーから借金をし、それを返すためにDVDを学生に売る商売を始めますが、シャオジイは大きい仕事をしようと言って銀行強盗を持ちかけます。銀行に押し入ったビンビンはすぐに逮捕され、シャオジイはバイクで逃げ出しますが、やがてガス欠になりヒッチハイクで車に乗せてもらいます。ビンビンは警官に何か歌えと言われ、生きたいように生きるのだという歌を歌うのでした。
　徹底して切り返しショットが排除されていて、一つの画面に登場人物たちが収まっています。テーブルをはさんでの向かい合っての食事のシーンではカメラがパンし、唯一切り返しかなと思ったビンビンと彼女の別れのシーンも、彼女がビンビンにこっちに来るように言い、来ないと分かると自分から行って一つの画面に収まるという徹底ぶりでした。ラストでバイクに乗るシャオジイの殺伐とした表情が特に印象的だったと思います。ドキュメンタリーのような劇映画を見たい方にはオススメです。