gooブログはじめました!

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

フランソワ・トリュフォー監督『あこがれ』

2014-07-28 09:30:00 | ノンジャンル
 フランソワ・トリュフォー監督の'57年作品『あこがれ』をWOWOWシネマで再見しました。
 ベルナデット・ラフォンが自転車でこちらに向かってくるところを縦の移動で捕えた画面をバックにオープニング・タイトルが下から上に流れます。彼女が山道を下っていくと、カメラは俯瞰でパンし、それを眺める子供たちの姿を捕えます。「ベルナデットは僕らの憧れと欲望の対象だった」という主旨のナレーション。森の中を走っていくベルナデットをパンで捕らえるカメラ。彼女は木に自転車を立て掛けて、湖に降りていきます。その自転車に駆け寄り、サドルの匂いを嗅ぐ子供をスローモーションで捕らえるカメラ。湖からベルナデットが上がって来ると、子供たちは逃げ去ります。再び自転車をこぎ出すベルナデット。たなびくスカート。
 「ベルナデットは学校の先生であるジェラールに恋していた」という主旨のナレーション。コロッセオを思わせる場所で待ち合わせるベルナデットとジェラール(ジェラール・ブラン)。2人がキスすると、それを遠くから見ていた子供たちは、しきりに野次ります。2人が移動すると、子供たちもそれを追いますが、曲り角で鉢合わせになり、ジェラールに追い払われます。俯瞰で子供たちの動きを捕らえるカメラ。柵を乗り越える子供たち。やがて子供たちはマシンガンによる銃撃戦のマネを始め、倒れた子供はカメラの逆回しで起き上がります。次々に倒れる子供たち。
 テニス場で水撒きをしている老人。子供がホースを踏み、突然水が止まったことで、老人がホースを覗くと、子供がホースを踏むのを止めて、老人はホースの水を浴びます。怒って子供に水をかける老人。テニス場では、ベルナデットとジェラールがテニスをしています。ベルナデットのむき出しの足に魅了される子供たち。たまにボールが逸れてテニス場から出てしまうと、それを追ってベルナデットがやって来て、子供たちは彼女を間近から見ることができます。その一瞬のため、延々と2人のテニスを見守る子供たち。
 ジェラールは道行く男性にタバコの火を借りようとすると、その男は激怒し、断ります。次の男から火を借りるジェラール。
 ジェラールはベルナデットの家を訪問し、2人で出かけます。それを追う子供たち。子供たちは2人に復讐するため、壁に「ベルナデットとジェラールは死んだ」と落書きします。
 ベルナデットとジェラールがお互い自転車に乗り、郊外に出かけると、子供たちも3台の自転車に相乗りし、歌を歌いながら彼らを追います。ベルナデットとジェラールが自転車を降り、ジェラールが「君の肉体がほしい」と言うと、ベルナデットは笑いながら逃げます。それを追いかけるジェラール。2人が草の上に寝転んで抱き合っていると、追いついた子供たちは2人を囃し立て、怒ったジェラールは1人の子供にビンタを食らわせます。
 駅に到着する列車。別れを惜しむベルナデットとジェラール。ジェラールは「3ヶ月後には」と言って結婚行進曲のメロディーを口ずさみ、泣くベルナデットを慰めます。列車に乗って去るジェラール。子供たちは夏休みを利用して、2人に復讐してやろうと、男が女を抱いている絵葉書を買い、それに偽のジェラールからの卑猥な愛の言葉を書いて、ベルナデットのポストに入れます。そしてベルナデットの婚約者は山で遭難して亡くなり、子供たちは罪の意識に捕らわれます。
 しかし、しばらくすると、それも忘れ、水たまりで遊ぶ子供たち。そんな10月のある日、黒衣で歩くベルナデットが現れ、子供たちは再び罪の意識に捕らわれます。カメラはこちらに黒衣の姿で歩いてくるベルナデットを捕え、やがてパンアップして並木の枝を写すと、映画は終わります。

 水まきや駅への列車の到着はリュミエール兄弟へのオマージュであり、ジェラールがタバコの火を借りようとして断られるのも、何かの映画的引用かもしれません。サドルの匂いを子供が嗅ぐのと、テニスの場面は鮮明に覚えていましたが、ラストシーンはすっかり忘れていました。18分余りの短編です。

→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/

最新の画像もっと見る

コメントを投稿