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ガソリンの値上げは地球温暖化防止への朗報?

2007-11-20 14:46:16 | ノンジャンル
 このところガソリンの急激な値上がりが話題になっています。原因はサブプライムローンの破たんで、そこから引き上げた資金が原油の先物取り引きに流れている、と言われていますが、もっと長い目で見た時にも、原油の埋蔵量の低下によりガソリンの値上げは恒久的に起こると考えられます。
 今のところ、リットルあたり140円から一日で10円程度の値上がりですが、もっと値上がりが続くと、業務で車を使っている方たちは困るでしょうが、プライベートで車を使う人たちは、車を使う頻度が下がったり、アイドリング・ストップが普及することが考えられます。とすると、これはその分二酸化炭素の排出量が減り、地球温暖化防止につながることになります。
 私は個人的には、ガソリン代がもっとどんどん上がってほしいと思っています。自分自身プライベートで車に乗りますが、必要最小限しか乗りませんし、他のプライバー・ドライバーの方たちにもそうなってほしいと思っています。
 また、ガソリン代以外でも、一部の農作物の値上がりも起こっていますが、これも質素な生活のススメとなるかもしれず、私はあまり否定的に考えていません。今の先進国、特にアメリカと日本の富裕層と中流階級層は、ぜいたく過ぎる生活を送っていると考えています。環境に優しい、新しい生活スタイルの普及につながれば、と思いますが、皆さんはどうお考えですか?

マルジャン・サトラビ『ペルセポリス(2)マルジ、故郷に帰る』

2007-11-19 19:14:48 | ノンジャンル
 昨日の続きです。
 オーストリアに着いたマルジは、母の親友のはからいで尼の寮に入れられますが、パスタを鍋ごと食堂に持ち込んでテレビを見ながら食べているのを咎められ、修道院長を売春婦呼ばわりし、退寮処分になり、親友のジョリーの家にやっかいになります。
 ジョリーは今までに18人の男と関係を持つという女性で、マルジは控えめなジョリーの母と気が合います。
 15才から16才にかけて肉体的に急速な成長を遂げたマルジはパンクヘアになり、麻薬も覚え、一時は学校の麻薬仲買人までやり、アナーキストの集団とも付き合い、恋人との出会い・別れを繰り返し、当時世界から「悪の権化」とされていたイランの人間であることで傷付きます。
 ジョリーの家を出て入居した共同住宅の頭のおかしい家主ともケンカして追い出され、終いにはホームレスとなって、気管支炎で喀血し、病院に運び込まれます。
 家族からすぐに戻って来るように言われ、久しぶりに落ち着ける場所で時間を過ごします。しかし政情はイスラーム政権の独裁が進み、デモ参加者たちは皆処刑され、民衆の抵抗は禁止されていることを密かにやる、という形になっていき、革命防衛隊の行き交う外界では無慈悲で理不尽な行為が繰り返されていました。アイデンティティの喪失からうつ病になりますが、自殺未遂を経て、自分という存在を受け入れる決意をします。
 恋人のレザーと大学の入学試験に受かり、私は美術科に入ります。レザーと結婚しますが、最初から衝突の連続で、別居に等しい同居生活を送ります。
 そしてパラボラ・アンテナの普及が外の世界の価値観を国内に持ち込み、男性偏重の国から出て行く決意を固め、レザーとも離婚し、フランスの装飾美術学校へ旅立ちます。母は「この国に戻ってきちゃだめよ」と言い、私が一番多くのことを学んだ祖母とは、その後1度しか会えなかったのでした、という話です。

 かなりはしょりましたが、オーストリアでの生活が大部分を占めます。1巻目に負けないリアルさ、現実を見つめる冷徹な目、少女から大人になっていく女性の心の動きの描写の見事さ、どれを取っても一級品だと思います。これからはイスラーム政権と民衆をきちんと区別して考えなければならないことを学びました。またイランで何故優れた映画が撮られているのかも分かった気がします。イランに対しての偏見を取り除くためにも、ぜひ1人でも多くの皆さんに読んでいただきたいマンガです。
 なお「Favorite Books」に「ペルセポリス」2册の詳しいあらすじと著者の略歴を載せておきましたので、興味のある方はご覧ください。

マルジャン・サトラビ著『ペルセポリス(1)イランの少女マルジ』

2007-11-18 16:26:47 | ノンジャンル
 朝日新聞で紹介されていたイラン初のマンガです。世界12ヶ国で発売され、映画化されたものもヨーロッパでヒットしているそうです。
 ストーリーはイランの首都テヘランに住む裕福で進歩派の両親のもとに生まれた一人娘マルジが9才の時にイスラーム革命を経験し、当初は革命に夢中になりマルクスの「弁証法的唯物論」のマンガを読み、神様の言っていることと似ているなどと考えていますが、やがて彼女の神様は現実の中で押しつぶされ、彼女の生活は自由を次々に奪われて行きます。
 シャー(国王)が国外退去すると、コミュニストらそれまで政治犯として刑務所にいた革命家たちが釈放されますが、彼らも結局イスラーム原理主義者たちに粛正されていきます。
 イラク戦争も始まり、最新鋭の兵器を持つイラクに対し、人海戦術で戦うイランは多くの戦死者を出し、次マルジの身近な人たちも死んでいきます。物資が不足していく中、マルジの一家は闇市でトルコから流れて来る西洋文化を享受していました。酒を飲み、レコードを聞き、チェスをし、マルジはパンク・ファッションでパーティーに行きます。彼女のお気に入りはキム・ワイルド。アメリカの女性ロッカーです。
 彼女は学校でも反抗的で、理不尽な校長を叩き、退学になり、次の学校でも、政治犯はいなくなったと嘘をつく教師に、国王時代は3000人だったのが現在は30万人もいると言って、学友たちの喝采を浴び、親ともども権力側に目をつけられます。両親はマルジをオーストリアに留学させることにし、イラン最後の夜に一緒に寝てくれたおばあちゃんから「バカに傷つけられたら、こいつらは愚かな奴だからしょうがないと諦めなさい」と忠告してもらいます。そして、空港での両親との涙の別れの後、振り返ると、母がショックから倒れているのを見てしまうのでした。

 イラン革命の実態をこれほどリアルに描いた書物というのは初めてなのではないでしょうか? リベラルな家庭で育つマルジの成長ぶり、そして世界を生き抜く知恵を教える両親の言葉、暴力と悪意にまみれた現実、反民主主義の社会の恐怖。絵がイラストのようで、変に思い入れを込めず実際にあったことを淡々と描いてあるところも説得力を持ち得たと思いますし、1人の人間の成長をここまで深く描いたマンガというのも背景に現実の重みがあるとしても、滅多に出会えない優れた作品だと思います。
 2巻ではマルジがイランに帰って来ます。どんな出来事が待っていて、それをどのようにしてマルジは乗り越えていくのでしょう。今から読むのが楽しみです。

森のみ込む牧牛

2007-11-17 18:36:04 | ノンジャンル
 10月28日の朝日新聞の朝刊に「森のみ込む牧牛 7500万頭飼育へ違法焼き畑 『大豆道路』急ピッチ」という見出しでかなり大きい記事が載っていました。
 ブラジルの熱帯雨林を違法に焼き、7500万頭の牛が放牧されていて、大豆の栽培も進み、その収穫した大豆を運ぶための道路の舗装を急ピッチで進めているという報告です。
 その結果、森を焼くことによって生じる煙りで肺炎になる子供が急増し、牛の増加でCO2の排出量は増加し、地球は世界で最大のCO2吸収量を誇るブラジルの熱帯雨林を失っていくことになります。
 こうした事態を招く最大の原因は、農産物の価格低下による農家の貧困化、もしくは資本主義の農家への浸透による農家への物欲の刺激にあるのでしょう。この点に関しては記事では触れられていませんでした。
 では、今後こうした状況を放置しておいていいものだろうか、CO2の吸収量が多い森林を再生させることはできないのか、というと、これはできるのだそうです。
 日本からの移民が約80年前に開いたトメアス移住地。森を再生する農業「アグロフォレストリー」というものが紹介されていました。「2世の坂口渡さん(47)の農園は118ヘクタール。マンゴスチン、ププーニャ、プシュリ‥‥多くの熱帯果実の名前が挙がる。『いろんな木が混じる原生林のように、全部が枯れることはない。バランスがとれているんだ』と話す。
 移住者はかつて、高値で売れるコショウの栽培のため、木々を切り焼き払い、広大な畑を作った。60年代後半には国内生産の4割を占めた。だが、病害と水害で壊滅し、多くの人がサンパウロなどに移った。
 それから約20年。1面のコショウ畑はカカオ、ライチなどが共に育つ深い森に姿を変えた。
 ブラジルは今、世界の食糧庫として単一栽培の道をひた走る。『病気、害虫が発生したらどうするのか。昔のトメアスと同じことをしているようだ』と坂口さん。」
 やはり単一栽培は非常に危険なようです。農業の再生にも「多様性」という言葉がキーワードになっているようですね。

モロボシダンと友里アンヌの恋

2007-11-16 15:37:58 | ノンジャンル
 土曜日の朝日新聞には実在の男女の恋物語が綴られる特集があるのですが、なんと10月27日の特集は「ウルトラセブン」におけるモロボシダンとアンヌ隊員の恋物語でした。
 円谷プロダクションの砧社屋と撮影スタジオの東宝ビルト(当時の東京美術センター)で作られたウルトラマンシリーズの中でもウルトラセブンは最高傑作の呼び声が高く、私が大学生の時も実相時監督の回を熱心に見る映画研究会の人がいたぐらい、レベルの高いものでした。記事によると「特に最終話「史上最大の侵略」(前・後編)で描かれたダンと友里(ゆり)アンヌの恋は印象深い」ものだったようです。
 「侵略者との相次ぐ激闘に傷つき、故郷のM78星雲に帰らなければならないダンことウルトラセブンは、自分を心配してくれる同僚のアンヌだけに、自分は人間でなくセブンだと明かす。アンヌは『ダンはダンに変わりないじゃないの。たとえウルトラセブンでも』と答えるが、ダンは同僚を救うべく、セブンに変身して去ってゆく。『好き』というセリフはない。『待って、ダン、行かないで』というアンヌの叫びと涙で慕情を表した。
 この最終話で監督を務めた円谷プロ顧問の満田かずほさん(70)は『ダンとアンヌを恋仲にする考えは最初からあったんです』と振り返る。当時、企画・脚本の中心にいた金城(きんじょう)哲夫からその構想を聞いていた。
 しかし、主に子ども向けの一話完結ドラマを複数の監督・脚本家が分担して作ってゆくこともあって、なかなかふたりの関係は進まない。金城・満田コンビは、ダンとアンヌが休暇に海水浴場でデートする場面などの伏線を織り込んで、最終話につなげていった。
 アンヌを演じたひし美ゆり子さん(60)は、満田さんから繰り返し演技の特訓を受けた。『ダンに対しては、お母さんみたいにやさしく』と指導されたことが強く記憶に残る。
 『私なんて、ホントにあか抜けない、そのへんを歩いているような女の子だったんだけれど‥‥』特訓のかいあって、アンヌは抜群のかれんさにやさしさを加えて、宇宙人セブン=ダンの告白を引き出し、少年ファンの心をとらえた。(後略)』
 ダンとアンヌの恋物語は知りませんでしたが、当時隊員の中で紅一点のアンヌ隊員は少年の憧れでした。彼女が初恋の人だという子も少なくなかったと思います。そんな彼女も普段は普通のありふれた娘さんだったんですね。映像の力、ドラマの力というのは大したものだ、と改めて思いました。最終回のウルトラセブン、見たいです!