おかげさまで生きてます

日々の暮らしのなかで

脂身の身体

2010年07月25日 | 日記・エッセイ・コラム
100724_203536
 
暑かった日の締めくくり、
一足お先に冷えたビールを頂きたかったんで
午後7時の開始時間より、30分ほど早く、
買出しで買い揃えた肉を小脇に抱え、
リバーサイドレストランに急いだ
 
途中、ランニングする人が近づいてきた
チラ見する
向こうもこっちをチラ見する
 
“あっ”
 
知り合いだった
雰囲気が随分変わっていたが、小学校時代からの
幼馴染みだった
 
「俺のこと、わかる?」
 
確認された
15年ほど前、中華料理店で出会ったとき、
確信が持てなくて挨拶をしなかったのが
ずっと引っかかってはいたが、
向こうも少なからず、あの時の僕の態度を
分かっていての、昨日の台詞になったのかも
知れない
 
「わかるよぉ!」
 
彼は消防士をしている
高校も同窓だったが、一番よく遊んだのは
小学校のときだった
 
ただ、出会いは最悪だった
 
三年生で初めてクラスメイトになった
下駄箱は二人でひとつの空間を使うタイプのものだったが
毎日、先に登校した僕の靴は、手を洗う流し台に
捨てられていた
 
何が気に食わなかったのか分からないが、
とにかく、毎日毎日、僕の靴はほかされていた
それがいつの間にか、仲がよくなり
休み時間は、常に一緒に遊ぶようになった
 
「貫禄ついたな!」
 
彼は鍛えた身体で、こっちはメタボ
あの頃とはお互い変わってしまった
片やトレーニングで汗をかき、
片や小脇に肉を抱え、ビールを目指して歩く
十分脂が乗り切った僕の身体を見ながら、
汗を拭く彼の腹筋は、割れて隆起していた
 
「ほな、またな」
 
努力する人間の後ろ姿を見ていると、
持っている肉がやけに重く感じた
 
追伸:
冒頭の写真は、先日の馬鹿会BBQの一こまです
タイの露店風景ではありません