道路を横切るのが見えました
昼前、買い物に出掛け、
いつもの通りなれた坂道に差し掛かったとき、
前方で、車を掻き分けるように横断した
“なにか”
が、視界の中に入ってきた
なにか?と一瞬思ったが、
それが“鹿”であることは、すぐにわかった
以前は、見かけることはなかった
この時期
五月初旬から一ヶ月間ほど、
全国の消防団員の方々ならご存知かと思うが、
操方大会が開催され、それの準備に向けて
毎日、仕事で疲れた身体に鞭打って
練習に励み、本番に備える時期である
我が分団の練習場所は、秘密の場所にあり
一山越えたところにあった
そこへ行く道中、親子連れの鹿に
遭遇したことがある
しかし、遭遇したといっても、池のほとりを
歩いているところを遠めに見て驚く程度だった
飲みに出掛けると、帰りは運転代行を利用する
どの運転手に聞いても、
「緊張しますねぇ!」
と、神妙な返事が返ってくる
そう、飲みに出掛けたところから
我が家に帰ってくるには、
“鹿”の出現に気を配る必要がある
それほど田舎なのだ!と言われればそれまでだが、
以前は、鹿を見かけることは
ほとんど無かったと記憶しているが、
今では、代行運転の助手席で、必ず鹿を発見する
そして
消防のときでも、飲み屋帰りも
それは“夜”のことだった、
いつの頃からか、昼間にもその姿を見るように
なった
慣れたのだろう
鹿が、車行きかう道路に出てくることに慣れたんだろう
いや、慣らされたのか?
昼間にも出て来なければならないほどの
そんな状況に置かれたということだろうか
鹿は、作物を荒らす
人間側から言えば、害を及ぼす存在だ
だから“駆除”されるのだが・・・・
走りさる鹿を
シャッターにおさめようと、
携帯を取り出し、
前後を確認して車を停めたが
鹿は、走り去った
生きるために走るのか
逃げるためなのか
後ろ姿が、焼きついた