室内には、クンシランの花が咲いてきたが
まだまだ寒中。山にはこれからも雪が降り積もる。
蔵王の樹氷は、これから見ごろになる。
そんな季節に詩吟教室で教わった吟題は正徹の「暮るる山の雪」
渡りかね雲も夕をなほたどる
跡なき雪の峯のかけはし
正徹
先日、大岡山で雪景色を楽しんできたばかりだったので
脳裏の景色と、歌に詠まれている景色が
重なり、深い感動を覚えた。
歌意を記すと、「白一色の無人の世界。そこに雲だけが、
足跡のない雪の美しさを踏みかねて、迷うように浮き、かす
かに動いている。」
正徹とはどのような歌人か、気になるところだ。
調べて見ると、室町時代の歌僧で、生年1381年~1459年。
歌を冷泉為尹、今川了俊に学び、藤原定家をいたく尊崇した。
和歌ばかりでなく、古典学者としても高名で将軍足利義政に
「源氏物語」の講義している。正徹による「徒然草」の写本は
現存する最古の写本として名高い。
詩吟は本来漢詩の節をつけて吟じるものだが、
近年、和歌、俳句なども吟じられるようになった。
漢詩ばかりでなく日本の詩歌を取り上げて、詩吟愛好家の
増加を期待したものだ。
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