常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

大平山

2021年03月06日 | 登山
上山では最高峰と思える大平山(714m)へ登った。鶴脛町の斎場方面から、不動寺まで車で入る。このコースで山頂へ向かう人は少なくなったようだ。過去の記憶を頼りに、自分のブログを検索してみた。前回登ったのは、4年前、1月の末の頃であった。寺の裏の斜面を、尾根筋をめざして歩いた。この数日の春めいた気温のため、雪は少なくなり、朝の時間でもぬかるんでいる。カンジキを履いて雪の残ったところを選びながら登っていく。雪が消えた部分は、笹薮である。カンジキで雪のかわりに、笹を踏みながら尾根道に出る。木々は葉を落して、タムシバの花芽が所々に出ている。やがて、目の前にマンサクの花が見えてきた。あっちにも、こっちにも、陽当りのよい尾根道にマンサクの花が春を告げている。

「いい香りだね。」仲間の一人がマンサクの花から春の香りを嗅ぎ当てて言った。鼻が鈍感な自分には、それが確められなくて少し残念な気がする。五感で春を感じとりたいのだ。冬から春へ、季節の変わり目は、登る山を選ぶのも苦労する。気温が上がると、積雪のある谷筋には、雪崩のリスクがつきまとう。放射冷却の朝は、カンカン渡りが楽しめるが、急坂にには滑落の危険が。十人十色の脚力には、この季節に相応しい山選びは難しい。近郊の低山が無難ではあるが、里山には様々なルートが入りみだれ、道迷いのリスクも大きい。自分を筆頭に、グループメンバーの高齢化で、見直しているのが近郊の低山の魅力の発掘である。マンサクの花には、冬の眠りから覚めた生命の息吹が感じられる。融けていく積雪を踏みしめる足からは、春の足音が聞こえてくる。

今日の参加者は思いがけず11名(内男性2名).。尾根に上がると、頂上までほぼ一本道。毎日、ベランダから見えている尾根を歩いている。標高600ⅿを過ぎたあたりから雪が深くなる。しかし、一度脱いだカンジキは履かず、頂上までつぼ足。尾根筋に人跡はなく、カモシカの足跡が大きくなって残っている。頂上付近で傾斜はきつくなる。目の前に杉の木立が見えてきて、頂上に来たのがわかる。歩き始めて1時間30分。頂上の岩のあるところに腰を下ろして昼食となる。山中は我々のほかには、人ひとりいない。カモシカもウサギも、鳥さえもいない静かな山だ。この季節の山の魅力でもある。トレースひとつなく、GPSの軌跡だけが頼りの山行であった。帰路は登りの足跡をそのままとって返す。所要時間30分。12時30分、車を停めた場所に着く。ここから、グループが分かれ、近くの経塚山へ登る人たち、まっすぐに帰宅する6人。またの再開を約して別れる。


コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 啓蟄 | トップ | 春の川 »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
マンサク (tyako)
2021-03-07 10:11:18
おはようございます。
久しぶりに自生のマンサク拝見しました。
若い頃は、良く山歩きをしましたので、時々見ておりましたが、やはり山で咲くマンサクは素敵ですね。
拝見してワァ~と声が出そうでした。
ありがとうございました。
返信する
眠りから覚める前の山 (miki701_1941)
2021-03-07 13:48:22
マンサクしか咲いていない山は
寂しい気がしますが、木々の芽も
しだいに膨らんでいます。
春を待つのは生きとし生けるもの
全ての願いですね。
返信する

コメントを投稿