毎年、春から秋にかけて、ミモロの住むマンションの2階のベランダには、いろいろな種類の蝶が、ミモロが育てるミカンの木を目指し、どこからともなくやってきます。
大きな黒アゲハチョウや模様が美しいアゲハチョウなど、ミカンの葉っぱに、小さな卵を産んでいきます。
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ミモロが育てるミカンは、植木鉢の中。それほど大きなものではないので、たくさんの蝶が、卵を産み、それが小さな黒い幼虫になると、葉っぱを次々に食べて、ミカンの木は、食い散らかした葉っぱだらけになってしまいます。
「あ、また卵あるよ~」
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そこで毎年、10個ほどの卵を残し、後は、近くの公園の柑橘類の木に移動させます。
5月から、そんな状態が続き、小さな黒い幼虫から青虫に何匹も次々に育って行きました。「チョウチョになるの楽しみだね~」と、その青虫を見守るミモロですが、なぜか、ある程度の大きさになる姿が消えてしまうのです。
「どこ行っちゃったんだろ?」とベランダの隅々まで探し回りますが、全く姿がありません。
「鳥に食べられちゃったのかな~」と、青虫が消えるたびにがっかり。
それでもめげず、次々に孵化する幼虫を見守っていました。そんな日々が6月下旬まで続き、そして豪雨の日々が京都を襲います。
雨の中、ミカンの木の葉っぱの上には、何匹か黒い幼虫がじっとしています。
そして、豪雨が開け、突然太陽が照りだし、猛烈な暑さが始まったとき、「あれ?どうしたんだろ?チョウチョの卵も黒い幼虫に1つもないよ~」
そう、不思議なことに、それまであった卵も黒い小さな幼虫も一匹残らずミカンの葉から姿を忽然と消してしまったのです。
「ここにもいない?」と葉っぱの裏側、植木鉢の縁などあらゆるとこを、真剣な目つきで探しますが、本当にどこにも…。
猛暑になって、確かにチョウチョがベランダに来ていません。「あんまり暑いからチョウチョも休憩してるのかな?」と空を見上げては、チョウチョが来ないことを寂しそうに・・・。
そんなある日、「あ、ここに1匹青虫見つけた~」
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「あんまり直射日光当たらないように~」と、ミモロは、ミカンの鉢をベランダの日蔭へ移動。鉢の向きも青虫に直接強い陽射しが当たらないようにしました。
しばらくして「あ、サナギ~」そう、あの青虫がやっとサナギになりました。
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それは、とても小さなサナギです。「この子のママ、どんなチョウチョだったんだろ?」
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サナギになって4日ほど。緑色のサナギに茶色の線が現れて、そしてサナギ全体が薄緑色から茶色ぽくなってゆきました。
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でも、以前、サナギからかえるのを目撃したいと思っていたのに、朝見ると、空っぽのサナギがあるだけ・・・そんな経験をしているミモロは、サナギのついたミカンの枝を切って、観察しやすい状態に。
「明日の朝だね~」と言って、ベッドに・・・。
ミモロ起きて~!「え?なぁに~まだ夜でしょ?ムニヤムニャ・・・」眠い目をこすりながら起きてきたミモロが見たのは、「ギャ~もうチョウチョになってる~」
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そう時刻は夜1時過ぎ。なんと夜中にチョウチョへと変わっていたのでした。「わ~サナギから出てくるところ見れなかった~」とちょっとガッカリ。
鳥などの外敵が眠っている間にチョウチョになって、早朝飛び立つのでしょうか?
パタパタと羽を動かし、飛ぶ練習をし始めました。パタン・・・夜でも昼の暑さをたくわえたベランダの床に落ちたチョウチョ。
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「え~ここにいたら死んじゃうかも~。短い命だから、こんなコンクリートの上で死んじゃったらかわいそうすぎる~」といいだしたミモロ。
そこでサナギからかえったばかりのチョウチョを大き目な袋にやさしく誘導し、それを持って近くの鴨川へ。
真夜中、川端通をトコトコと…。
「ここならいいかも~」と、ミモロは、川端の草むらで袋の口を開きます。
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草に誘導されたチョウチョは、そこで再び羽をパタパタ。
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「このチョウチョのママ、前に見たことあるね~」とミモロ。う~そのチョウチョかどうかはわからないけど・・・
しばらくチョウチョの様子を観察。
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さぁ、もう帰りましょ。こんな夜中にここにいるのは…。
「うん・・・元気でね~。仲間に会えるといいね~」と、ミモロは、アゲハチョウにいうと、その場から離れました。
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「最近、チョウチョあまり見なくなったから…ちょっと心配~」とミモロ。
「おうちの中で育ててあげればよかったかな~」と。「でも、自然の中を飛び回った方がいいよね~。たとえ危険でも、その方がうれしいよね~」とミモロ。そうね、この厳しい暑さの中、生きるのは大変だけど、きっと自然に備わった力で、生き抜くことができるはず…。たとえ短い一生でも、その方はチョウチョにとっては自然です。
「あ~行っちゃったんだね~」家には、サナギの殻のついたミカンの枝が残りました。
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朝、起きたミモロは、ちょっと寂しそうにその枝を眺めます。「でも、どこかで元気に飛び回ってるね~」と、旅立ちには、嬉しさと寂しさがつきものです・・・。
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