友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

人生を変える出逢い

2015年04月23日 17時42分16秒 | Weblog

 福井県に加賀伝統工芸の村「ゆのくにの森」という施設がある。かなり広い敷地で、新緑の散策も楽しめる。輪島塗の館、金箔の館、友禅の館、九谷焼の館などあり、体験もできる。その一角に常設のギャラリーがあり、「相田みつを展」が行なわれていて、スタンプが押せるようになっていた。今年のスタンプは「育てたように子は育つ」で、昨年のものは「そのときの出逢いが人生を根底から変えることがある よき出逢いを」とあった。

 フェイスブックの『看護の名言』に、「少年の運命を変えた出会い」という話があったことを思い出した。それはひとりの女性教師の語りで綴られていた。小学校5年性の担任になった時、どうしても好きになれない児童がいた。服装が不潔でだらしなかった。児童の悪いところばかりが目に付いた。児童の1年生の時の記録が目にとまった。朗らかで人にも親切、勉強もよく出来、将来が楽しみとある。2年生、母親が病気となり世話のために遅刻する。3年生、母親の病気が悪くなり、疲れているのか教室で居眠りをする。母親が死亡、希望を失い悲しんでいる。4年生、父親はアルコール依存症となり、児童に暴力を振るう。先生の胸に激しい痛みが走った。

 先生は児童に声をかけた。「先生は夕方まで教室で仕事をするから、あなたも勉強していかない」。それから少年は毎日、教室の自分の机で勉強した。授業で少年が初めて手を挙げた時、先生に大きな喜びが湧き起こった。クリスマスの午後、少年は小さな包みを持ってきた。後で開けてみると、香水の瓶だった。亡くなった母親のものに違いない。先生はそれを1滴つけ、少年の家を訪れた。気付いた少年は飛んできて先生の胸に顔を埋めて叫んだ。「ああ、お母さんの匂い!」。小学校の卒業の時、少年から1枚のカードが先生に届いた。「先生は僕のお母さんのようです。出会った先生の中で一番素晴しい先生でした」。

 それから6年、また少年からカードが届いた。「明日は高校の卒業式です。僕は5年生で先生に担任してもらって、とても幸せでした。奨学金をもらい、医学部へ進学します」。それから10年後、またカードが届いた。「僕はよく5年生の時の先生を思い出します。あのまま駄目になってしまう僕を救ってくださった先生を神様のように感じます。医者になった僕にとって、最高の先生は5年生の時、担任してくださった先生です」。その1年後、結婚式の招待状が届いた。カードには1行、「母の席に座ってください」と書き添えられていた。

 出来過ぎた話ではあるが、涙が出てしまう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする