友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

再び、尾崎豊のこと

2015年04月02日 19時05分23秒 | Weblog

 昨夜、BS朝日『昭和偉人伝スペシャル』が尾崎豊を取り上げていた。尾崎は昭和40年生まれだから私とは歳が違いすぎるけれど、歌を聞いた時、心にしっくりくるものがあった。メロディーはどれも似ているし、歌詞も似ているけれど惹かれた。中学時代に生徒会の役員をしているが、喫煙で停学処分を受けている。高校生になって、音楽活動を本格化したようだが、やはり喫煙や大学生グループとケンカしたりしている。学校は彼を処分したが、それでオーディションを受けることになったというから皮肉だ。

 反抗的が高じて不良行為に走る。オートバイを乗り回したり、酒を飲んだり、私の高校時代にも不良っぽさをウリにしていた友人がいた。裏地に龍虎の布を使った学生服を着て、喫茶店に出入りし煙草をふかしていた。尾崎と同じように詩も書いていたし、文集も作った。私も大人たちに不信と軽蔑を抱いていたが、煙草を吸ったり酒を飲んだりすることはなかった。むしろ礼儀正しく真面目で、詰襟のホックをはずすこともない堅物だった。

 尾崎が10代で作った『卒業』は共感させるものがある。「夜の校舎 窓ガラス壊してまわった 逆らい続け あがき続け 早く自由になりたかった (略) この支配からの卒業」。単に学校からの卒業だけでなく、大人が作り上げた社会・秩序・価値観など、あらゆる不条理から「卒業」したかった。しかし尾崎は分かっていた。「卒業していったい何が変わるというのか 想い出のほかに何が残るというのか (略) あと何度自分自身卒業すれば 本当の自分にたどりつけるだろう」。

 繊細すぎる神経だからこそ作り上げることが出来たけれど、それは彼自身を苦しめていく。尾崎の才能に惹かれた「カドカワ」の編集者・見城さんは、「尾崎は人が信じられないから、自分を理解してくれる人に対しては容赦なく要求してくる。それはもう耐えられないくらいに」と言っていた。なるほどそうなのだと思う。尾崎は自己愛の塊になっていき、死にたどり着いてしまった。彼にはこの道しかなかったのだ。

 「I LOVE YOU」や「OH MY LITTLE GIRL」は、とても素敵なラブソングだ。こんな歌ばかり作っていたなら死に至ることはなかっただろう。尾崎に似た歌手で福山雅治さんがいるが、テレビのコマーシャルを見る度に、私のところに送られてきたf・雅治を思い出す。「会いたいよ。少しでいいから」と何度も送ってきた彼はどうしているのだろう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする