風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

今年のプロ野球

2013-09-27 00:52:40 | スポーツ・芸能好き
 楽天イーグルスに対して特に思い入れはありませんが、嶋選手の涙目には、ついもらい泣きしてしまいました。マジック2で迎えた今日、2位ロッテが破れ、首位楽天が西武に逆転勝ちしたため、球団創設9年目にして、初のリーグ制覇を成し遂げました。
 それにしても、今シーズンは田中マー君の大車輪の活躍、と言うべきでしょう。今日も、九回にクローザ―として登場し、一死二・三塁のピンチを招きましたが、最後は西武の三・四番を連続三振に討ち取り、所謂「胴上げ投手」の栄誉に浴しました。それほど打てない球だとは思えないのですが、田中マー君というだけで、最近のパ・リーグの打者は、その存在感に気圧されているかのようです。しかし彼の力だけでなく、今シーズンの楽天は、よく守り、よく打ち(銀次の打率3割2分はパ・リーグ2位、マギーの本塁打27本はパ・リーグ3位、ジョーンズは大リーグ通算434本塁打と10年連続ゴールドグラブ賞を誇ります)、田中マー君の快進撃をよく支えましたし、ルーキー則本の14勝7敗だって立派です。
 今年は、まだシーズンは終わっていませんが、よく飛ぶボールに戻したことを黙していてミソをつけたものの、半世紀ぶりの「記録」更新に沸いた年で、プロ野球ファンとしては興味が尽きませんでした。田中マー君にも特に思い入れはありませんが、開幕22連勝(本日時点)と、神様や仏様と並び称された?名投手・稲尾和久(西鉄)が1957年に記録した同一シーズン20連勝を56年ぶりに塗り替えたのに続き、昨年からの連勝は26で、メジャーで1936年から37年にかけて記録されたカール・ハッベル(ジャイアンツ)の24連勝を超える世界新記録を更新中です。また、ヤクルトのバレンティンにも特に思い入れはありませんが、シーズン本塁打58本(本日現在)と、我らが王さんが1964年に(他2名も)記録したシーズン最多本塁打55本を49年ぶりに更新しました。よく飛ぶボールとは言え、他のプロ選手と比べても量産ペースは驚異的です。今年という年は、将来にわたり、二人の記録とともに思い出されることでしょう。
 海を越えて、メジャーでも、久しぶりに日本人選手の「記録」が話題になった年でした。イチローの通算4000本安打は以前ブログで取り上げましたので繰り返しません。レンジャーズ・ダルビッシュのシーズン奪三振269(本日現在)は、両リーグを通じてトップを誇るだけでなく、我らが野茂が1995年に記録した日本人メジャーリーガーのシーズン奪三振記録236を超えました。最近、勝利に恵まれませんが、変化球のキレは相変わらず抜群です。レッドソックス・上原も防御率1.18と好調で、今月17日に連続無失点こそ27試合(連続無走者は37人)で止まりましたが、長谷川滋利(当時マリナーズ)が2003年に記録した日本人投手の連続無失点記録25試合を更新しました。最高球速はせいぜい140キロ前半、持ち球はツーシーム、スプリット、スライダーと、必ずしも特別な投手ではありませんが、相手バッターの苦手コースにピンポイントで投げ込む抜群の制球力を誇り、奪三振率は今季最多奪三振のダルビッシュより高く、四球を与える確率は群を抜いて低いため、米スポーツ専門局のESPNは「上原は74%がストライク。900球以上投げた投手で、こんな凄い投手は2000年以降いない」と評価しています。
 記録には沸いていますが、日本プロ野球のクライマックス・シリーズは意味不明で、以来、日本にリーグ優勝はあっても、真の意味での日本一決定戦はなくなりました。あるのは、ペナントレース終了後、一年の締め括りのお祭り行事として、短期決戦の勝ち抜き戦があるだけです。この際、混乱を避けるために、日本シリーズという名称は変えるべきでしょう。飛ぶボールといい、如何に商業主義がプロ野球の楽しみに水を差しているか、その筋の方々には反省を促したいと思います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする