国連・安保理決議に反発するかのように、もっと言うと反発にかこつけて、15日朝、北朝鮮はミサイル実験を強行した。前回(8月29日)同様、北海道上空を通過し、飛行距離は約3700キロ(前回は2700キロ)、最高高度は約800キロ(前回は550キロ)に及び、襟裳岬の東の太平洋上約2200キロ(前回は1180キロ)に落下した。北朝鮮がかねて目標とするグアムまでの距離は約3350キロなので、今回は十分に届くことを誇示するのが狙いだろう。アメリカのレッドラインは後退したものの米国領土内および同盟国領土内にミサイルをぶち込むこととされているので、方角は前回同様、あさっての方角と言うべきか(日本列島の中でも人口が少ない)津軽海峡を越えるコースをとり、これが常態化するのではないかと防衛省関係者は懸念する。
この日は、韓国の文在寅大統領が、国際機関を通じた800万ドル(約8億8000万円)相当の人道支援の検討を発表した翌日にあたる。制裁と人道支援は別というのは理屈では分かるが、国際的に制裁強化で纏まりつつあるこのご時勢に水を差す動きと呆れていたら、保守系とはいえ韓国・中央日報(電子版)は社説で“全方位外交”の結果、「北朝鮮に馬鹿にされ、米国に不信感を与え、中国に非難され、ロシアに拒否される」事態を招いたと批判した。
また、この日は、インドを訪問中の安倍首相が、日本の新幹線方式を導入するアーメダバードとムンバイ間を結ぶ高速鉄道建設の起工式に参加し、モディ首相との首脳会談を行った、翌日でもある。安倍さん(首相官邸)のfbで見ただけだが、モディ首相の歓迎ぶりは、他の首脳を歓迎する場面を知らないが、格別なもののように見受けられた。安倍さん側近によると、数々の首脳の中でもモディ首相と一番ウマが合うそうだ。確かにプーチン大統領は元KGBらしく腹に一物ありそうだし、トランプ大統領はビジネスマンとしての付き合いの良さ以上の親しみを感じないし、習近平国家主席に至ってはなかなか会おうとすらしないで尊大に構えている。インドは非同盟の象徴とも言える存在なので、防衛装備に関しては、ロシアを筆頭に、米国、欧州諸国、イスラエルなどの各国の兵器技術に依存しているとされるが、日本への期待は高そうだ。歴史的な因縁があるように思う。
この模様を固唾を呑んで見守っていたのは中国である、と宮崎正弘氏は言う。「2014年に習近平は、わざわざアーメダバードを訪問し、インドへの大々的な投資を打ち上げた(その後、何も実行されていないことは誰もが知っている)」という。そして宮崎正弘氏自身もその直後にアーメダバードを訪問され、印象深い思い出として、ガンジー記念館の図書館にチャンドラ・ボーズ関係の書籍がうずたかく積まれていたことに触れておられる。インドでも歴史修正主義が力を得ている背景がある、と言うのだ。そう言えば余談になるが、「フーバー回顧録」や「スティムソン回顧録」の日本語版がこの夏に相次いで刊行された。前者はアメリカでも2011年になるまで長らく刊行されなかったものであり、歴史修正主義、あるいは正当に評価し直す動きが出て来るか・・・しかし上巻だけで9500円(後者も上・下併せて1万円を超える)ではおいそれと手が出ない・・・
そして同じように北朝鮮もこの模様を固唾を呑んで見守っていたのではないかと、報道されないが私は勝手に思うのだ。インドもまた核保有国だ。そのインドに対抗するべく、カーン・ネットワーク(核闇市場)で知られ、パキスタンの「核開発の父」と呼ばれるカーン博士によって核実験を成功させたパキスタンは、北朝鮮の核開発を支援していたとされる。インドにとっての核はパキスタンへの対抗の意味合いが強く抑制気味だが、大国としての要素を何も持ち合わせない、そしてかつて冷戦崩壊によってソ連という後ろ盾を失い、かつて朝鮮戦争では血の絆を誇った中国からも米中和解や改革開放に続き中韓国交樹立によって見捨てられたと感じている北朝鮮にとっての核は国家生存の切り札のようなものであり、いずれ日・韓を脅迫しないとも限らない。核を持たすべきではない国に持たしてはいけないのだと思う。
この日は、韓国の文在寅大統領が、国際機関を通じた800万ドル(約8億8000万円)相当の人道支援の検討を発表した翌日にあたる。制裁と人道支援は別というのは理屈では分かるが、国際的に制裁強化で纏まりつつあるこのご時勢に水を差す動きと呆れていたら、保守系とはいえ韓国・中央日報(電子版)は社説で“全方位外交”の結果、「北朝鮮に馬鹿にされ、米国に不信感を与え、中国に非難され、ロシアに拒否される」事態を招いたと批判した。
また、この日は、インドを訪問中の安倍首相が、日本の新幹線方式を導入するアーメダバードとムンバイ間を結ぶ高速鉄道建設の起工式に参加し、モディ首相との首脳会談を行った、翌日でもある。安倍さん(首相官邸)のfbで見ただけだが、モディ首相の歓迎ぶりは、他の首脳を歓迎する場面を知らないが、格別なもののように見受けられた。安倍さん側近によると、数々の首脳の中でもモディ首相と一番ウマが合うそうだ。確かにプーチン大統領は元KGBらしく腹に一物ありそうだし、トランプ大統領はビジネスマンとしての付き合いの良さ以上の親しみを感じないし、習近平国家主席に至ってはなかなか会おうとすらしないで尊大に構えている。インドは非同盟の象徴とも言える存在なので、防衛装備に関しては、ロシアを筆頭に、米国、欧州諸国、イスラエルなどの各国の兵器技術に依存しているとされるが、日本への期待は高そうだ。歴史的な因縁があるように思う。
この模様を固唾を呑んで見守っていたのは中国である、と宮崎正弘氏は言う。「2014年に習近平は、わざわざアーメダバードを訪問し、インドへの大々的な投資を打ち上げた(その後、何も実行されていないことは誰もが知っている)」という。そして宮崎正弘氏自身もその直後にアーメダバードを訪問され、印象深い思い出として、ガンジー記念館の図書館にチャンドラ・ボーズ関係の書籍がうずたかく積まれていたことに触れておられる。インドでも歴史修正主義が力を得ている背景がある、と言うのだ。そう言えば余談になるが、「フーバー回顧録」や「スティムソン回顧録」の日本語版がこの夏に相次いで刊行された。前者はアメリカでも2011年になるまで長らく刊行されなかったものであり、歴史修正主義、あるいは正当に評価し直す動きが出て来るか・・・しかし上巻だけで9500円(後者も上・下併せて1万円を超える)ではおいそれと手が出ない・・・
そして同じように北朝鮮もこの模様を固唾を呑んで見守っていたのではないかと、報道されないが私は勝手に思うのだ。インドもまた核保有国だ。そのインドに対抗するべく、カーン・ネットワーク(核闇市場)で知られ、パキスタンの「核開発の父」と呼ばれるカーン博士によって核実験を成功させたパキスタンは、北朝鮮の核開発を支援していたとされる。インドにとっての核はパキスタンへの対抗の意味合いが強く抑制気味だが、大国としての要素を何も持ち合わせない、そしてかつて冷戦崩壊によってソ連という後ろ盾を失い、かつて朝鮮戦争では血の絆を誇った中国からも米中和解や改革開放に続き中韓国交樹立によって見捨てられたと感じている北朝鮮にとっての核は国家生存の切り札のようなものであり、いずれ日・韓を脅迫しないとも限らない。核を持たすべきではない国に持たしてはいけないのだと思う。