風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

韓国の革命政権

2021-07-20 00:58:24 | 時事放談
 文在寅大統領が東京五輪に合わせた訪日を行わないことを発表した。双方による神経戦などと報じるメディアがあったが、韓国が自らの願望を叶えるべくあれこれ注文をつけてハードルを上げて、結局、日本から拒否されるという、いつもの韓国の一人芝居と言わざるを得ない・・・という意味で溜息しか出ない。
 文大統領にしてみれば、一度は東京五輪という晴れの舞台を利用して、(平昌五輪の夢の再来を期して)北朝鮮との対話を画策したが、北朝鮮にあっけなく拒絶された。その後、地方選で敗北し、コロナ防疫で成功を自慢したはずがワクチン対応で失態を犯し、残り任期一年を切って、次の大統領選で与党敗北となれば、これまでの韓国大統領の悲惨な末路に倣って、自らの身にどんな不幸が降りかかるか知れたものではない恐怖に苛まれていることだろう、輸出管理強化といった負のレガシーを残したくないという、二度目の野心に燃えて、「成果」を掲げて東京五輪を利用しようとしたが、日本側にあっさり拒絶された。
 その間、韓国政府は7月8日、培材大学校のカン・チョルグ日本学科教授の「素材部品・装備で世界的な技術強国への跳躍」という寄稿文を要約した4枚のカードニュース(イメージと簡略なテキストで構成された記事)を制作し、政府公式ツイッターをはじめとするインターネット上に公開したところ、2頁目の「衰退する日本、先進国格上げの大韓民国」というタイトルが外交非礼だとして炎上し、こっそり削除した(李正宣氏のJBpress寄稿による)。日本に勝ちたい、日本の不幸を望む、というコンプレックスは、傍迷惑なだけだが、根深いものがある。
 また、東京五輪の選手村に、「臣にはまだ5千万国民の応援と支持が残っている」という、秀吉の朝鮮出兵で「抗日の英雄」として知られる李舜臣の言葉を連想させるハングル語メッセージを垂れ幕に掲げて、IOCから「政治的な宣伝を禁じる五輪憲章第50条に違反する」と撤去要請を受け、垂れ幕が撤去されて、一件落着と思ったら、今度は、虎の形をした朝鮮半島の絵が描かれ、ハングル語で「虎が降りてくる」との文字が添えられた垂れ幕を掲げたという。これも秀吉が朝鮮出兵時に加藤清正に命じた「虎狩り」を根に持っていることが表現されているとされる(このあたりはAERAによる)。折角の平和の祭典に、偏執的とも言える反日行動は、何とかならないものか。(あるいは慰安婦像と同じで、一部の活動家の行動を放置して利用する)韓国政治の弱さが露呈する。
 さらに、本ブログ冒頭で「一人芝居」と呼んだような文政権の外交姿勢を、在韓日本大使館の公使が、韓国メディアとの非公式の懇談の場で、性的な表現を使って揶揄していたことが発覚し、韓国側はこの問題と文大統領の訪日をリンクさせて、公使の処分が大統領訪日の前提条件になるかのような態度を取ったらしい。言わば幕引きに利用したわけだ。
 この一連の騒動について、ある外務省幹部は「韓国側が懸案について、解決策を示すという外交的決断ができなかったことが全てだ。これでしばらく日韓関係は動かないし、ダメだろう」と淡々と語ったと、日テレNEWS24が報じた。残念ながら、それに尽きてしまう。
 文氏が政権を握ったとき、革命政権と呼んだ朝鮮半島専門家がいた。何を大袈裟なと思ったものだが、その後の4年余りを振り返ると、まさに自らの正義を押し出した歴史観(保守・軍人政権の歴史をひっくり返すという意味では革命的)と(北になびく)民族主義に殉じて、革命的に日韓関係を破壊したことを痛感する。こうした日本人一般の受け止め方について、ご本人は微塵も想像できないことだろう。
 もっとも、日本だって10数年前、(文氏と同様の)ただの市民活動家にすぎない人物を首相に担ぐことになる政党に投票して政権交代を実現させたことがある。その悪夢を経験した日本人は、その後、どんなに与党政権がお粗末でも、当該政党への支持を復活させない。心ある韓国の方々には大いに反省して頂きたいものだと思う。
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