巨人は、CSファイナル・ステージでヤクルトに3連敗し、惰性であれ長年巨人ファンを続けている私にとっても欲求不満のまま今シーズンが終った。
今年の巨人は、昨年にも増して打てなかった。これほど打てなかったシーズンは、さすがに私の記憶にはない(6連覇の新聞切り抜きを持っていたくらいだから、1970年以来、実に45年間で最低ではないか)。チーム打率はリーグ最下位の0.243、昨年はチーム打率が悪いなりにも「調子が良い選手をとっかえひっかえ使いまわしながら、なんとか勝ちを拾って行く采配の違い、あるいはそのベースとなる選手層の厚さの違いがあった」とブログに書いたものだが、今年はそのあたりの原マジック効果もないまま沈んで行った感じだ。今年も規定打席に達した3割バッターが出ず、トップ24に入ったのは僅かに16位の坂本(0.269)と22位の長野(0.255)の2人のみ。セ・リーグ優勝のヤクルトは個人1、2位をはじめ5人、3位の阪神も5人だったのとは対照的で、これはもう重症だ。CSシリーズ・ファイナルSはそれを象徴するように、4試合のチーム打率はレギュラーシーズンを下回る0.230、とりわけ得点圏で30打数4安打、打率0.133、初戦の7回から4戦目の4回まで25イニング連続無得点は、ポスト・シーズンでは1958年の日本シリーズで巨人が西鉄に喫した26イニング連続無得点に次ぐワーストとなった。
他方、投手陣は、内海や杉内ら主軸の故障があったものの、菅野やマイコラスを中心に、チーム防御率はリーグでダントツ1位の2.78(優勝のヤクルトは3.31)と踏ん張ったが、打線の援護が得られなかった。それを象徴するのが、CSシリーズ・ファイナルS第二戦でマイコラスが完封負け、第三戦で菅野が完封負けしたところで、今シーズンの二人の活躍からすれば、巨人の命運は尽きたと言える。
ある対談で、松本匡史氏が、「山倉の時は、現役晩年だった堀内恒夫さんが教育係になった。山倉のリードで堀内さんが打たれると、打たれた原因を徹底的に突き詰めた。それによって山倉は配球を覚えて成長していった。今の巨人でいえば杉内や内海といったベテランがその役割を担うべきだと思うんです。その意味でも彼らの戦線離脱は痛かった」と語っていたように、ベテランが抜けると、その抜けた穴だけでなく、波及効果にも制約がある。
同じ対談で新浦壽夫氏が、「(正捕手と考えられていた)相川の離脱は、打線においても原監督の構想を大きく狂わせたね。捕手に戻った阿部は昨年同様、守備の負担を負うことになった。打撃不振の原因が全てそこにあるとは言えないけど、結果として4番を務めきることができなかった」と指摘し、角盈男氏も「阿部をコンバートして4番打者として打撃に専念させるというのが開幕前の構想だった。それを少々打てないからといって5番や6番に下げてしまったら、相手チームから『阿部はそんなに調子が悪いのか。巨人打線はそんなに困っているのか』と見下ろされる。試合以前に勝負がついてしまうんですよ」「4番打者が不調でどうしようもない時は打順を下げるのではなく、思い切って休ませたほうがいい」と同調している。昨年に続き今年も打線の主軸が定まらなかった上に流動的だったのは、相手チームのみならず、阿部や村田など4番を担うべき本人たちの士気にも関わったことだろう。
そんなこんなで、昨年こそチームとしての勝負強さを発揮してリーグ三連覇を果たした巨人だったが、短期決戦のCSシリーズ・ファイナルSで敗退し、今年に至ってはリーグ優勝にも届かなかった。一昨年の悔しい日本シリーズ敗退から始まる三年続けての退潮は、もはやとどめようがない。早速、原監督勇退のニュースが流れているが、二年、否、三年続けてチーム力が低下する事態は、常識的に考えれば構造的と言うべきで、何等かの抜本対策が必要なのだろう。
今年の巨人は、昨年にも増して打てなかった。これほど打てなかったシーズンは、さすがに私の記憶にはない(6連覇の新聞切り抜きを持っていたくらいだから、1970年以来、実に45年間で最低ではないか)。チーム打率はリーグ最下位の0.243、昨年はチーム打率が悪いなりにも「調子が良い選手をとっかえひっかえ使いまわしながら、なんとか勝ちを拾って行く采配の違い、あるいはそのベースとなる選手層の厚さの違いがあった」とブログに書いたものだが、今年はそのあたりの原マジック効果もないまま沈んで行った感じだ。今年も規定打席に達した3割バッターが出ず、トップ24に入ったのは僅かに16位の坂本(0.269)と22位の長野(0.255)の2人のみ。セ・リーグ優勝のヤクルトは個人1、2位をはじめ5人、3位の阪神も5人だったのとは対照的で、これはもう重症だ。CSシリーズ・ファイナルSはそれを象徴するように、4試合のチーム打率はレギュラーシーズンを下回る0.230、とりわけ得点圏で30打数4安打、打率0.133、初戦の7回から4戦目の4回まで25イニング連続無得点は、ポスト・シーズンでは1958年の日本シリーズで巨人が西鉄に喫した26イニング連続無得点に次ぐワーストとなった。
他方、投手陣は、内海や杉内ら主軸の故障があったものの、菅野やマイコラスを中心に、チーム防御率はリーグでダントツ1位の2.78(優勝のヤクルトは3.31)と踏ん張ったが、打線の援護が得られなかった。それを象徴するのが、CSシリーズ・ファイナルS第二戦でマイコラスが完封負け、第三戦で菅野が完封負けしたところで、今シーズンの二人の活躍からすれば、巨人の命運は尽きたと言える。
ある対談で、松本匡史氏が、「山倉の時は、現役晩年だった堀内恒夫さんが教育係になった。山倉のリードで堀内さんが打たれると、打たれた原因を徹底的に突き詰めた。それによって山倉は配球を覚えて成長していった。今の巨人でいえば杉内や内海といったベテランがその役割を担うべきだと思うんです。その意味でも彼らの戦線離脱は痛かった」と語っていたように、ベテランが抜けると、その抜けた穴だけでなく、波及効果にも制約がある。
同じ対談で新浦壽夫氏が、「(正捕手と考えられていた)相川の離脱は、打線においても原監督の構想を大きく狂わせたね。捕手に戻った阿部は昨年同様、守備の負担を負うことになった。打撃不振の原因が全てそこにあるとは言えないけど、結果として4番を務めきることができなかった」と指摘し、角盈男氏も「阿部をコンバートして4番打者として打撃に専念させるというのが開幕前の構想だった。それを少々打てないからといって5番や6番に下げてしまったら、相手チームから『阿部はそんなに調子が悪いのか。巨人打線はそんなに困っているのか』と見下ろされる。試合以前に勝負がついてしまうんですよ」「4番打者が不調でどうしようもない時は打順を下げるのではなく、思い切って休ませたほうがいい」と同調している。昨年に続き今年も打線の主軸が定まらなかった上に流動的だったのは、相手チームのみならず、阿部や村田など4番を担うべき本人たちの士気にも関わったことだろう。
そんなこんなで、昨年こそチームとしての勝負強さを発揮してリーグ三連覇を果たした巨人だったが、短期決戦のCSシリーズ・ファイナルSで敗退し、今年に至ってはリーグ優勝にも届かなかった。一昨年の悔しい日本シリーズ敗退から始まる三年続けての退潮は、もはやとどめようがない。早速、原監督勇退のニュースが流れているが、二年、否、三年続けてチーム力が低下する事態は、常識的に考えれば構造的と言うべきで、何等かの抜本対策が必要なのだろう。
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