かーちゃんはつらいよ

施設入所した18歳そうちゃん(自閉症、最重度知的障害、強度行動障害、てんかん)のかーちゃんが書く雑記。

身長12㎝の子ども(第2話)

2012年04月09日 21時14分06秒 | みゆみゆとの生活
身長12㎝の子ども(第2話)
 ~同居~
        作:みゆみゆ

 子どもが公園で遊ぶのが、あまりにも楽しかったので、またいっしょに遊びたいという内容の手紙を書いて送ってきた。
 私は、はかせに作ってもらった、大きな字でも小さな字になる、えんぴつのような形のきかいを手に持って、
「いいよ。わたしの家へおいでよ。」と、手紙に書いて送った。

二日後、あの子どもが、午後3時にやって来た。そして、まっ先に、
「おやつをくれませんか。」と書いたのだった。
「身長どのくらい?」と言っても、「さあ?」と書くだけだったので、ものさして身長を計ってみた。12㎝だった。
「12㎝くん。」
と言ったらおこったので、
「小林くん。」
と言ってみた。
すると、その子の機嫌はたちまち直った。
そこで、この子を「小林くん」と名付けることにした。
そして、おやつに、たこやきを食べた。
わたしは、小林くんの口の周りについているソースを、ふいてあげた。

とつぜん、小林くんが書きだした。
「ねえ、ぼく、きみと同居したいんだけど。」
わたしはびっくりした。
そして、
「もちろん、いいよ。」
と言った。

              
                つづく

身長12㎝の子ども (作:みゆみゆ)

2012年04月09日 20時59分33秒 | みゆみゆとの生活
  身長12㎝の子ども(第1話)
   ~その子どもに会ったわけ~
     作:みゆみゆ               

 6月6日、森へピクニックに行きました。お腹がすいたので、おべんとうの箱を開けました。
その時です!とても小さな子供が、おべんとうを食べにやってきたではありませんか。
ためしに小さい声で、
 「あの~ こんにちは~。」
と言ってみました。でも、子どもは耳をふさぐばかりです。
わたしは、「そうか、声が大きすぎるのか。」と思いました。「身長の差がありすぎて、小さい声でも、大きな声に聞こえるんだ。」
 つまり、わたしが
 「おーい」
と言っても、子どもには、
 「お~い」
と聞こえるわけです。
そこで、わたしは、近所のはかせにたのんで、大きな声でも小さな声に聞こえるきかいを、発明してもらいました。
さっそく、そのアヒルの口ばしのような、きかいを口にあて、
「いっしょに遊ぼう」
と言うと、子どもは耳をふさぐのをやめ、にっこりして、ぴょんぴょん、とびはねました。
そして紙に、「いいよ。」と小さな小さな字で書きました。
 そして、近くの公園で、楽しく遊びました。


                              つづく