かーちゃんはつらいよ

施設入所した18歳そうちゃん(自閉症、最重度知的障害、強度行動障害、てんかん)のかーちゃんが書く雑記。

紙芝居

2012年04月16日 16時50分01秒 | みゆみゆとの生活

紙芝居「そうちゃんのこと」

こんにちは。
この子は、そうちゃん、と呼ばれています。
まんまるお目目と長いまつげがチャームポイントです。
そうちゃんは、音楽が大好き。
知っている曲が流れると、ノリノリで踊ります。
それから、ご飯を食べるのがとても早くて、たくさん食べてから、必ずおかわりをします。



でも、そうちゃんは、みんなと少し違うところがあります。
じっと座ってなきゃいけない時に急に走りだしたり、
静かな時に大きな声を出してしまったり。
ピョンピョンとその場で跳ねたり、クルクル回っている時もあります。
お友達に話しかけられても、知らん顔。
お返事はしてくれないのに、全然違うことを一人でおしゃべりしてる。
なんでなのかなあ?

赤ちゃんのころ、そうちゃんは元気によく泣いて、全くお友達と変わらない、普通の子でした。
でも、2歳を過ぎたころから、お母さんは「ちょっと他の子と違う」と思いました。
周りの同じ年の子がみんなお話できるのに、そうちゃんだけ、うまくおしゃべりができるようにならなかったからです。



そこで、専門のお医者さんのところへ連れて行くと、お医者さんはこう言いました。
「そうちゃんは、身体の大きな子ですね。
でも、身体以外のことは、普通の子よりも、ゆっくり成長していく子です。
普通の子が2歳で言葉を覚えるとしたら、そうちゃんは、4歳を過ぎてから覚えます。
生まれた時から、そういう風に決まっていたのです。」
お医者さんは、こうも言いました。
「そうちゃんは、わからないことや心配なことがあっても、うまく言葉で人に伝えられません。
だから、その場でピョンピョン跳ねたり、大声を出したりするのです。
そうちゃんが他の子と違うことをする時は、そうちゃんが困っている時です。
大声で叱ったり、笑ったりしてはいけませんよ。
やさしく見ていてあげて下さいね。
そうちゃんは、わがままや面白がってやっているのではないのですから。」

お母さんは、その話を聞いて、こう思いました。
「そうちゃんには、できないことがたくさんある。
でも、ゆっくりひとつひとつ、練習させよう。
お友達が、きっと、そうちゃんの見本になってくれる。
みんなと一緒に、そうちゃんもずっとここで大きくなっていけるといいな。」




最後に、そうちゃんの小学校での生活のことをお話します。
そうちゃんは、小学校で、みんなと同じ速さでお勉強をすることができないので、ひまわり学級でゆっくりとお勉強をします。
ひまわり学級は、職員室の向こうにあります。
1年1組のお部屋には、ときどき来ますので、やさしくしてあげて下さい。
もしも、そうちゃんのことで何か困ったことやわからないことがあったら、先生に聞いてくださいね。
みんながそうちゃんと仲良くなってくれると嬉しいです。

おしまい