かーちゃんはつらいよ

施設入所した18歳そうちゃん(自閉症、最重度知的障害、強度行動障害、てんかん)のかーちゃんが書く雑記。

学校公開とギター

2016年02月20日 17時30分41秒 | みゆみゆとの生活
3週間前の土曜日に学校公開があり、夫婦で行きました。
相変わらず、そうちゃんはクラスで一番動きが早い。
ちょっとした隙に走り出してしまうので、一人先生がつきっきりで身体のどこかに触れています。
このクラスは多動の子が多くて、他にもフラーっと走る子はいるんだけど、そうちゃん以外の子は呼べば戻ってくるらしい。
へぇー、すごい、戻ってくるなんて。
と、そうちゃんの親としては思う。
うちの子は絶対戻ってこないから。あ、大好きな果物でもあれば別だけど。

学校公開の2・3時間目は、「お正月遊び」がテーマで、コマ回し、けん玉、福笑い、だるま落とし、をしました。
そうちゃんはどれもあまり興味がなかったのですが、福笑いだけは、きちんとした位置にパーツを置いていて、曲がっていたら何度も直しており、さすがのこだわりを発揮していました。
福笑い、もちろん目隠しはなしです。


4時間目は「4年生の振り返り」。
写真や画像で、1学期の行事から振り返っていきました。
「バスに乗って、どこ行ったんだった?」「先生と一緒に長いすべり台、楽しかったねー」など、先生が話してくれます。
そうちゃんは2・3時間目で集中力を使い切ったらしく、全く先生の話に注目はできず。
親のところに来ようとしたり、椅子からずり落ちて床に寝そべったり。
いつもこんな感じなんだなー、先生大変だなー、と思いながら参観していました。

遠足の話の時に、おもむろに先生が取り出したのは、ギター。(はい、出ましたよ
ジャカジャカとかき鳴らし、歌い始めました。

(先生)えんそくに いこう
(子ども)いこう!
(先生)みんなで いこう
(子ども)いこう!
(先生)えんそくに いこう
(子ども)いこう!
(先生)なにを もっていこう
(先生と子ども)リュック おべんとう おかし すいとう シート せんせい!

大盛り上がり。一体感が生まれる教室。
「いこう!」とこぶしを突き上げる子ども達。
さながら、ライブ会場
さっきまでダラダラしていたそうちゃんも、しゃんと背中を伸ばして、ノリノリで聴いていました。
なんていう、絶大な音楽の力でしょうか。

その後も、先生が話に戻るとまたそうちゃんはダラダラしたり大声を出しはじめるのですが、
タイミングよく違う音楽が入って、おかげでなんとか一時間、自分の席にいることができました。

そこで夫が、「俺もギターやろかな。」とつぶやいた。
目がちょっと本気だな、とは思った。

そこからの動きの速さが、私にはないものだと思う。
あっという間にギターの体験教室に申し込みを済ませ、ネットでギターに関する知識を調べはじめ、
気づいたら仕事帰りに買ったギターを担いで帰ってきて、もう次の日には「乾杯(長渕剛)」ですから
なんだ、このスピード感。

体験教室の先生に、「なぜギターをやろうと思ったのですか?」と聞かれ、
「子どもが重度の障害があって、特別支援学校に通っています。先日担任の先生が授業で弾いているのを見て、感動してはじめようと思いました。
 あと、時々知的障害の方たちの作業所に歌のピアノ伴奏で行くことがあるので、ギターだと自分も歌えるし、盛り上がるかな、とも思って。」
と答え、冒頭から少し重い空気になったらしい。
(全然重い空気になることないのにねっ。)

そんなわけで、家にギターがある。
当然、私も触りたいな、と。
時間見つけてはコード押さえて弾いて、遊んでいます
あー、こんなことしてる暇ないのに。
今年は「チャレンジの年」にしたいから(今年も?)、趣味も仕事ももう少ししぼらなきゃ、と思ってたとこだったのに。
でもさ、ギター、楽しいのよ。
「あんたの方が上手くなったらやる気なくす」と言う夫を追い越さない程度に(?)、また練習しようっと。