かーちゃんはつらいよ

施設入所した18歳そうちゃん(自閉症、最重度知的障害、強度行動障害、てんかん)のかーちゃんが書く雑記。

3歳前の忘れられない日

2016年06月13日 08時13分01秒 | みゆみゆとの生活
LITALICO(りたりこ)発達ナビ、書きました。→https://h-navi.jp/column/article/788
「『親子通園』を勧められたけど、何をする場所なの?」
というタイトルです

そうちゃんの場合、こんな流れで親子通園を利用し始めました。
・保健センターの実施する「2歳児はみがき教室」で言葉の遅れと多動を指摘される
・保健センターの「親子教室」(健診事後教室ともいう)に月2回通う
・児童相談センターでの発達検査を勧められる
・2歳で実施した発達検査では、泣き叫び暴れまくって検査にならず 療育(親子通園)を勧められる
・2歳~療育開始 フルタイムの仕事をしていたので、1日2時間の「育児時間休」の制度を週一回使い、それと年休やら代休やらを組み合わせて、週一回午前中だけ通いました。
・診断は児童精神科にて2歳3ヵ月で「自閉症」と言われました。
 
ともかく必死だった。
あのころ。
週一回しか療育に来れないんだから、一生懸命頑張らなきゃって。
みんなと同じように椅子に座って、課題ができるようにさせたいと。
でも、私が頑張れば頑張るほど、それは空回りして。
そうちゃんはゲラゲラ笑いながら教室中を走り回り、人を叩いたり噛みついたり、ドアをバンバン蹴ったり・・・。

一番長かった日のことを、書こうと思う。

そうちゃんは、たぶん3歳前ごろだった。
その日、午前3時半にそうちゃんは起きてきて、大声を出して部屋を走り回りはじめました。
放っておくと他の家族もみんな起きてしまうので、やむなく車に乗せ、ドライブしました。
まだ薄暗い公園で、朝5時から遊ばせ、頭がボーっとしながらも、それを追いかけました。
家に戻り、みゆみゆと夫を送り出し、そうちゃんにテレビを見せながらお弁当を二人分作る。
この時点でもう精神的にはボロボロ。

療育にやっとの思いでたどり着き、朝からの出来事を先生に話したら、「大変だね。お母さん頑張って。」と言う言葉に、涙が出て。
これ以上は頑張れません、先生
そこからは完全に水道の栓が壊れてしまったように、それは止まらなくて。
その日の療育はただひたすらに泣きながら、参加しました。
もしかしたら人を寄せ付けないオーラが出ていたのかな?
誰も、「今日は休んでていいよ、お母さん」とは言ってくれなかった。
そしてやはり、「今日は帰ります」と言えなかった私。
職場に迷惑をかけ、休んで来てるのだから・・・との一念で、泣きながら踊り、歌い、そうちゃんを抱えて療育に参加しました。

午後からは保育園に送り込んで、そのまま涙を拭いて仕事へ行きました。
午前中の出来事を誰かに話すでもなく、何事もなかったかのように笑顔で仕事をする。
それが、社会人として当たり前のこと、と思っていました。

なんとか切り抜けられた、と思っていた、その日。
でも、ダメージは思いのほか大きくて。
今でもこうして思い出すだけで、涙が勝手にあふれてくる。
こんな日が何度もあったから、私にとって療育の思い出は「歯を食いしばって通った」ものとなってしまっています。

今の私なら、あの頃の私に言ってあげる。
「がんばらなくていいよ。療育の一番の目的は、子どもが可愛いと思える、この子と生きていけると思えることなんだから。」

その日は療育を休ませて、保育園に預かってもらえばよかった。
しんどくてたまらないですって、午後の仕事も休んで睡眠を取ればよかった。
先生や他のお母さん達にも、心を開いてしんどさを打ち明ければよかったのに。

あのころ、フルタイムで働いてることの負い目をいつも感じていました。
子どもに障がいがあるのに、療育で子どもにがっつり向き合わなきゃいけないのに、仕事に逃げてるんじゃないかって。
でも、どうしても仕事をやめられなかった。
育児と療育がしんどすぎて、24時間そうちゃんと向き合う生活を始めたら家族の誰かが命を落とす結果になるだろう、とまで思うほどの状況でした。
ギリギリの選択の中、働き続ける・保育園にお願いする・療育は週一通う、という生活を選んでいました。

集団での療育が、超多動で過敏なそうちゃんにとってハードルが高すぎることをドクターに相談し、3歳半ごろからは個別療育に通い始めました。
少しづつそうちゃんのことが分かり、親仲間や支援者との出会いがあり、ようやく支えられながらの生活が安定し始めたのは4歳ごろからだったかもしれません。

2歳~3歳の、診断がつくかつかないかの時期。
他の子との差が目立ち始め、マニュアル通りにいかない育児が苦しくてたまらなくなってくる時期。
見えないトンネルを必死で歩むお母さん達の支援を、この先もやっていけたらなぁと、最近強く思う。
来月は「『うちの子こんな子です』の伝え方」というタイトルで、小さいお子さんのお母さん向けに講演をします。
我が子を知ること、人に伝えることについて、個人的&仕事上の経験を基にお伝えするつもりです。
こんな機会をいただけたことに感謝して。
しっかり準備しますよ~