かーちゃんはつらいよ

施設入所した18歳そうちゃん(自閉症、最重度知的障害、強度行動障害、てんかん)のかーちゃんが書く雑記。

世界を変えるのは多動だ

2018年03月25日 11時00分13秒 | みゆみゆとの生活
子ども達がいない3日間。
最初の2日は、エンジンかかりまくったまま、走り回ってしまった。
木曜日は、もはや躁状態とも言えたかもしれない。

こんな木曜日。
午前はひたすら電話・メール・パソコン作業。
午後は走って仕事に行って、
終わったら友人とお茶3時間。
急いで帰って晩ご飯を作って食べ、
別の喫茶店でまた違う友人とお茶3時間。

さすがに疲れて、朝までぐっすり眠りました。

金曜日。
起きて反省する。
昨日はテンション高すぎたかな。
あちこちに妄想全開で一方的にしゃべってたような・・・。

これではせっかく子どもがいないのに「休み」になってないぞ。
というわけで、「休み」を予定に入れることにした。

お天気のいい暖かい日。
桜もちらほら咲き出した。
こんな行楽日和には、
お風呂屋さんがすいている

携帯をロッカーにしまって、午前中から岩盤浴へ。
そして、小説読んで、眠る。
別世界。
必要だ。
こんな過ごし方しなきゃいけなかったね。

お風呂から上がったら、景色が違って見えるくらい頭がすっきりしたので、映画に行くことにした。
話題の映画、「グレイテスト ショーマン」
私にしては珍しく、派手派手ハリウッド映画です。
すごいスピード感と迫力でした。
細かいことは置いといて、ともかく歌がすごい。
帰りに思わずサントラ買ってしまいました。

こんな日に、この映画を観られてよかった。
気分によっては、圧の強さに引いてしまっていたかもしれない。
もしかしたら、空々しさを感じたかも。
でも昨日の私は、映画から生きる力をもらえました。
人生まだまだこれから。
はじめから無理だってあきらめずに、やれることをやっておきたい。
キラキラ(←ここに危険を感じる夫の表情が曇る。笑。)

This is Me!
これが私!

グレイテストショーマンの主役は、実在した興行師です。
当時はペテン師とも言われていたみたい。
今でいう障がい者を見せモノのようにしてサーカスなどをやっていたとか。
けれど、見せモノって、見る人の捉え方次第。
一緒にお仕事しようと思ったら、またそれを長く続けようと思えば、個人を尊重しなければやれなかったはず。
「みんなが笑顔になって帰れるのが、本物の芸術」という言葉もありました。

この興行師は、いわゆる善人ではなくて。
人間らしく欲も強いし、詐欺まがいのこともする。
勝手に突っ走って失敗したりも。
でも、なんとなくほっとけない。
魅力的な人物。
そして、多動だ。
画面で見ていても、付き合う人は疲れるだろうな~と思うくらい、ともかく落ち着きがない。
次々と途方もないことを思いついては周りを翻弄する。

ああ。
世界を変えていくのは多動だ。

映画館を出た瞬間、そんな感想が出た。
そうちゃんは、「超」のつく多動力を持っている。
まわりはそうちゃんを放っておけない。
付き合いながら、考えながら、時には振り回されて、思考する。それから試行し、生み出す。
私自身もどちらかというと多動・不注意傾向で、超多動のそうちゃんに背中を押されるようにしていろんな活動をし始めたのだけど。

社会活動を始める親も、
多動の子の対応を勉強し対応してくださっているデイの職員さんやヘルパーさんも、
そうちゃんがどうすれば落ち着くかを試行錯誤してくださる学校の先生方も、
ブログを読んで現状を知り、関心を寄せて下さる方々も、
それからそれから、そうちゃんに出会う人全てに起こる心の動きが、

実は、そうちゃんの「超多動力」が変えていっている「世界」で、
それ自体がそうちゃんの「お仕事」なのかもしれない。

そんな大きな妄想をして、幸せな気持ちになった。
そうやって、人は誰かに影響を与えている。
無駄なことはないし、いらない人なんて一人もいない。

現実ってやつは、容赦なく「そんなお花畑じゃないよ」と何度でも通告してくるわけだけど。
前向きな考えも持っておかないと、心が持たないからね。

心が元気になってきたところで。
今夜そうちゃんの帰宅です。
リスパ減らしてどうなってるかな。
来週一週間、気合い入れてかかりましょう。