この頃の山々の木々は若葉が出始め実に美しいと思います。ソメイヨシノが咲くと同時に近くの山々には山桜を始め色々な木々の芽が出始めます。同じ緑の山なはずなのに、その緑も実に多種多様な色合いで埋め尽くされているように思います。
そして、すのすべての色に自然と関連づけた名前がついています。萌葱色、若草色、茶色、橙色、水色、藍色、茜色、空色、群青色、瑠璃色、小豆色、山吹色、芥子色、鴇色(とき)、鶯色、焦げ茶色…。
日本人の心を考えたとき、私たち祖先は、この山紫水明なる日本の山々を思い浮かべていたと思います。
紅葉の美しさは昔から言われ尽くされているのですが、私にはこの時期の木々の美しさが一番気に入っています。まあ、下の動画をじっくりと見てみてください。心がいやされます。そして、いつもこの山々に点在する山桜を見るたびに、
「うらうらと のどけき春の心より にほひいでたる 山ざくら花」の賀茂真淵の詩が口をついで出てくるのです。実にいい詩だなと思わずにはいられません。縁があり、この学校に勤めていたころが、こんなところで関わっているとは思いませんでした。