狩り人のころも摺(す)るてふかきつばた花咲くときになりにけるかな(夫木抄)
たれしかも衣(きぬ)に摺るらしかきつばた浅沢小野(あささはをの)に今さかりなり(宗尊親王三百六十首)
すみの江の浅沢小野のかきつばた衣(きぬ)に摺りつけ着む日知らずも(万葉集)
むらさきの色は深きをかきつばた浅沢小野にいかで咲くらむ(夫木抄)
田子(たご)がすむ山下水のかきつばたむべ葡萄染(えびぞめ)の色に咲きけり(夫木抄)
深き色の心ことにぞにほふめる誰(た)が住むやどの杜若ぞも(堀河百首)
見ればなほ色なつかしき杜若わが袖摺らむ花は散るとも(新撰和歌六帖)