風わたる波にまかせて川の瀬になびく玉藻のした乱れつつ(白河殿七百首)
川の瀬に生(お)ふる玉藻のうちなびき君にこころは寄りにしものを(久安百首)
川の瀬になびく玉藻のみがくれて人に知られぬ恋もするかな(古今和歌集)
巻向(まきむく)の穴師(あなし)の河の川風になびく玉藻の乱れてぞ思ふ(新勅撰和歌集)
乱るとも人知らめやもかげろふの岩垣淵(いはがきふち)の底の玉藻は(続古今和歌集)
知られじな古き入り江のみこもりになびく玉藻のしたの乱れは(続後拾遺和歌集)
ありしより乱れまさりて海人(あま)の刈るものおもふ身を君は知らじな(新勅撰和歌集)
思ひ河いつまで人になびき藻のしたに乱れて逢ふ瀬待つらむ(新後撰和歌集)
沖へにも寄らぬ玉藻の浪のうへに乱れてのみや恋ひわたりなむ(古今和歌集)
うきしづみ我ぞこがるる藻刈舟(もかりぶね)人はこころも寄せぬ水際(みぎは)に(新千載和歌集)
わが恋は海人の刈る藻に乱れつつかわく時なき波のした草(千載和歌集)
玉藻刈る野島の浦の海人だにもいとかく袖はぬるるものかは(千載和歌集)