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古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

古典の季節表現 冬 千鳥

2013年12月01日 | 日本古典文学-冬

題しらす 人麿
近江の海夕なみ千鳥なかなけは心もしのにむかしおもほゆ
(続後拾遺和歌集~国文学研究資料館HPより)

千鳥をよみ侍ける 左京大夫顕輔
近江路や野島か崎の浜風に夕波千鳥立さはくなり
(風雅和歌集~国文学研究資料館HPより)

題しらす 山辺赤人
うは玉の夜のふけゆけは楸おふるきよきかはらに千鳥鳴なり
(新古今和歌集~国文学研究資料館HPより)

題しらす 大納言通方
わたの原ふくれはさゆる塩風にやそ島かけて千鳥なく也
(続古今和歌集~国文学研究資料館HPより)

いはにうつあらいそなみのよるの月かたぶくうらになくちどりかな
(光経集)

題しらす 紀友則
冬されはさほの川原の河霧にともまとはせる千とりなく也
(拾遺和歌集~国文学研究資料館HPより)

さほかはにあそふちとりのさよふけてなくこゑきけはいこそねられね
(柿本集~日文研HPより)

題しらす 昭慶門院一条
さえまさるさほの河原の月影にとわたる千鳥声そ更ぬる
(続後拾遺和歌集~国文学研究資料館HPより)

今朝聞けば佐保の河原の千鳥こそ妻まどはせる声に鳴くなれ
(和泉式部続集~岩波文庫)

冬の夜、宇治にこもりゐてのころ、千鳥の鳴きければ 右大将
霜さゆる汀の千鳥うちわびて鳴く音(ね)悲しきあさぼらけかな
(物語二百番歌合~岩波文庫「王朝物語秀歌選」)
暁の霜うち払ひ鳴く千鳥もの思ふ人の心をや知る
(源氏物語・総角~バージニア大学HPより)

題しらす よみ人しらす
かくてのみありその浦のはま千鳥よそになきつゝ恋やわたらむ
(拾遺和歌集~国文学研究資料館HPより)

題しらす 中納言雅定
あふ事はいつとなきさのはま千鳥浪の立ゐにねをのみそなく
(金葉和歌集~国文学研究資料館HPより)

題しらす 順徳院御製
浜千とりかよふはかりの跡はあれとみぬめの浦にねをのみそ鳴
(新後撰和歌集~国文学研究資料館HPより)

語らふ人のもとより、「今はむげに思ひ放(はな)ちつるか、さらに音(おと)もせぬ」といひおこせたるに
人やさも今やと思ふ浜千鳥我はまれにもとふをこそ待て
(和泉式部続集~岩波文庫)

恋歌の中に 式部卿親王
何にかは今はなくさの浜千鳥ふみつたふへきたよりたになし
(玉葉和歌集~国文学研究資料館HPより)

霜のうへにあとふみとむる浜ちどりゆくへもなしとわびつつぞふる
(秋萩帖)

関路千鳥といへる事をよめる 源兼昌
あはち島かよふ千鳥のなく声にいくよねさめぬ須磨の関守
(金葉和歌集~国文学研究資料館HPより)

弘安百首歌めされけるついてに 亀山院御製
にほの海や汀の鵆こゑ立て帰らぬ波にむかし恋つゝ
(続千載和歌集~国文学研究資料館HPより)

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