建保五年内裏歌合に、冬野霰 正三位知家
花すゝきかれのゝ草の枕にも玉ちるはかりふるあられかな
(新後撰和歌集~国文学研究資料館HPより)
野径霰を 藤原為冬
分ゆけは野へのを篠のうへよりも袖にたまらて降霰かな
(続後拾遺和歌集~国文学研究資料館HPより)
冬ざれのをののしの原うちそよぎ雪げの雲に霰ふるなり
(永享百首~新編国歌大観 第四巻)
野外霰と云事を 如法三宝院入道前内大臣
霜こほる野へのさゝ原風さえてたまりもあへすふる霰かな
(風雅和歌集~国文学研究資料館HPより)
前内大臣家百首歌合に 土御門院小宰相
はかなくもひろへはきゆる玉さゝの上にみたれてふるあられかな
(続古今和歌集~国文学研究資料館HPより)
たいしらす よみ人しらす
かきくらしあられふりしけ白玉をしける庭とも人のみるへく
(後撰和歌集~国文学研究資料館HPより)
いたまよりあられもりくるわかやとはぬきみたれたるたまそちりける
ふるさとのまきのいたとのつまひさしあられたはしるふゆそさひしき
(堀河百首~日文研HPより)
霰を 権僧正永縁
冬の夜のね覚にきけはかた岡のならの枯葉に霰ふるなり
(風雅和歌集~国文学研究資料館HPより)
夜を寒み竹吹く風は音さえて寝ざめの窓に霰をぞ聞く
(伏見院御集)
暁更霰
あり明の庭の木の葉に玉霰ひとつふたつそ落ちてさひしき
(草根集~日文研HPより)
題しらす 馬内侍
ささのはにあられふる夜のさむけきにひとりはねなん物とやはおもふ
(千載集~日文研HPより)
竹の葉にあられ降るなりさらさらに独りは寝(ぬ)べき心地こそせね
(和泉式部続集~岩波文庫)