「氷室守(ひむろもり」という単語は、『日本国語大辞典・第二版』では1532年の俳句を早い例としてあげていますが、さかのぼる用例が有ります。
冬とぢし岩戸あけても氷室守夏はとほさぬ関路なりけり
(6・俊成五社百首、日吉社百首和歌、433)
『新編国歌大観 第10巻』角川書店、1992年、95ページ
氷室
松か崎いそく都のつとにおきて氷をはこふ氷室守かな
朝氷室
木の間もる朝日に出たす氷室守やかてしつくや袖に涼しき
(草根集)日文研HPより
いとど氷室の構へして立ち去ることもなつかげの水にも澄める氷室守夏衣なれども袖冴ゆる気色なりけり(「氷室」)
『謡曲集・下(新潮日本古典集成)』伊藤正義校注、1988年、144ページ