monoろぐ

古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

なぎ(梛・竹柏)

2021年05月06日 | 日本古典文学-草樹

 寄社祝
ちはやぶる熊野の宮のなぎの葉をかはらぬ千世のためしにぞ折る
(拾遺愚草~「藤原定家全歌集・上」久保田淳、筑摩書房)

神祇の心を 権大僧都清寿 
君か代を神もさこそはみくまのゝなきの青葉のときはかきはに 
(玉葉和歌集~国文学研究資料館HPより)

み熊野の梛(なぎ)の葉しだり雪降ば神のかけたる四手(しで)にぞ有らし
(金槐和歌集~岩波文庫)

何となく名残そおしきなきのはやかさしていつる明方の空
(正治二年院御百首~続群書類従14下)

日比(ひごろ)の御参詣には、天長地久に事よせて、切目の王子の南木(なぎ)の葉を、百度千度かざゝんとこそおぼしめししに、(略)
(保元物語~岩波文庫)

熊野出(い)でて切目(きりめ)の山の梛(なぎ)の葉(は)し、万(よろづ)の人の上被(うはぎ)なりけり
(梁塵秘抄~岩波・日本古典文学大系)

又或夜二人通夜して同じう目睡たりける夢に、沖より吹くる風の、二人が袂に木の葉を二つ吹懸たりけるを、何となう取て見ければ、御熊野の南木の葉にてぞ有ける。かの二の南木の葉に一首の歌を蟲くひにこそしたりけれ。
ちはやぶる神にいのりの繁ければ、などか都へ歸らざるべき
(平家物語~バージニア大学HPより)

熊野へまいりて。うしろまいの後。うしろまりを西より百度。東より百度。二返に二百度あげて。おとさずして鞠をとり。ふしおがみて。其夜西の御前に通夜の夢に。別当常住みな見しりたる人ども。此鞠を興じほめあひたり。別当。いかでかばかりのことにてんとうまいらせざらんとて。なぎの葉を折てえつと思て。おどろきたるに。そのなぎの葉手にあり。かたじけなき事いふもおろかなり。是熊野のまもりの中にあり。一はそのまもりにこめてき。不思議の事にあらずや。
(成通卿口伝日記~群書類従19)

なぎの葉にみがける露のはや玉を結ぶの宮やひかりそふらむ 撿挍法親王
(夫木和歌抄~校註国歌大系22)

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