日本国語大辞典・精選版の「ころもがえ」の項は、以下のとおりとなっていました。
中古以降のころもがえは以下のとおり。
四月一日から冬の小袖をやめて袷にかえ、寒い時は下に白小袖を用いる(白重シラガサネ)。
五月五日から帷子を着、涼しい時は下衣を着る(一重がさね)。
八月十五日から生絹(すずし)にかえる。
九月一日から練絹(ねりぎぬ)に着かえる。
江戸時代は、四月一日に夏の衣にかえ、十月一日に冬の衣にかえるようになった。
着物(長着)の襲(かさね)は雑誌や着物本などで見たことがありますが、羽織の襲もあるらしいです。
近藤富枝「きもの名人」(河出書房新社、2012年、37ページ)によると、久邇宮家で裁縫や手芸の指導をした宮川鈴という方の遺品の中に、羽織の二枚がさねの雛型があるという。身頃は二枚、袖は袖口と裾が比翼なのだとか。襟は別々。綿入れ。
綿が入っていたということは、寒い時期のものということですね。
最近、マンガか雑誌を読んでいて目にしたのが、歌舞伎の男性の役柄で二枚羽織を着ているらしき描写。色柄も書いてあって、「メモしておこう」と思ったのですが、結局何に書いてあったのか、分からなくなってしまいました。
昔はコートに該当するものはなかったでしょうから、羽織を重ねる着方は防寒としては実用的なのかもしれませんね。機会があれば試してみたいです。その際は衿は一枚ずつ折るのではなく、二枚の羽織いっぺんに折るのかな?
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