monoろぐ

古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

「法句経」より

2019年01月31日 | 読書日記

 友松圓諦訳「法句経」(講談社学術文庫)より

 一六〇
おのれこそ
おのれのよるべ
おのれを措(お)きて
誰によるべぞ
よくととのえし
おのれにこそ
まことえがたき
よるべをぞ獲ん

 二九二
まこと なすべきを
なおざりにし
なすべからざるをなし
伎(たわむれ)におぼれ
しかも なすところ
放逸(なおざり)なるもの
かかるひとびとに
悪習(まよい)は増長(いやまさ)る

 同じ部分を、中村元訳「ブッダの真理のことば感興のことば」(岩波文庫)から採ってみました。

一六〇 自己こそ自分の主(あるじ)である。他人がどうして(自分の)主であろうか? 自己をよくととのえたならば、得難き主を得る。

二九二 なすべきことを、なおざりにし、なすべからざることをなす、遊びたわむれ放逸なる者どもには、汚(けが)れが増す。


1 コメント

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Unknown (mono)
2019-11-14 10:29:42
飯嶋和一「神無き月十番目の夜」(1997年、河出書房新社)に、似たような言い回しが出てきてました。

268ページ:
己(おのれ)を灯(ともしび)とし
己を拠(よりどころ)とせよ
他のものを拠とするな
真理を灯とし
真理を拠とせよ
他のものを拠とするな

144ページ: 「幸い」などというものは、他者との比較においてのみ生ずるものであり、己のなすべきことをまず手を抜かずに果たせ。何の心配もいらない。己の生を信じ、己を拠(よ)り所にして生きよ。
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