五月題詞 2021年05月04日 | 読書日記 五月題詞 はるかなる思ひ出をくりかへし、背を向けて宝石のつぶやきをもとめるけれど、空にうつりゆく紫の森ののどかな身ぶるひこそは、私達の生活のあをじろい頁(ページ)に灯をともす火皿である。真昼の神秘は水蛇のやうに鱗をはいで限りない恍惚の時のやはらぎを送り、合掌し、起臥し、焦燥してこのおほきな受胎のよろこびを鞭つのである。(『限定版 大手拓次全集 別巻』(白鳳社、1971年、446p)より「季節題詞」) #5月 « 古典の季節表現 夏 牡丹 | トップ | 菖蒲打ち/菖蒲叩き »
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