恋ひわびぬ海人(あま)の刈る藻にやどるてふわれから身をもくだきつるかな(伊勢物語)
われからと身をこそくだけ心なき海人の刈る藻に乱れ侘びつつ(草根集)
伊勢志摩や海人の刈る藻の人知れずわれからつらき恋もするかな(白河殿七百首)
海人の刈る藻にすむ虫のわれからとねをこそなかめ世をばうらみじ(古今和歌集)
海人の刈る藻にいほりして住む虫の名は知りながらなほうらみつつ(夫木抄)
君はなほうらみられけり海人の刈る藻に住む虫の名をわすれつつ(古今和歌六帖)
恋ひわびぬ海人(あま)の刈る藻にやどるてふわれから身をもくだきつるかな(伊勢物語)
われからと身をこそくだけ心なき海人の刈る藻に乱れ侘びつつ(草根集)
伊勢志摩や海人の刈る藻の人知れずわれからつらき恋もするかな(白河殿七百首)
海人の刈る藻にすむ虫のわれからとねをこそなかめ世をばうらみじ(古今和歌集)
海人の刈る藻にいほりして住む虫の名は知りながらなほうらみつつ(夫木抄)
君はなほうらみられけり海人の刈る藻に住む虫の名をわすれつつ(古今和歌六帖)
風わたる波にまかせて川の瀬になびく玉藻のした乱れつつ(白河殿七百首)
川の瀬に生(お)ふる玉藻のうちなびき君にこころは寄りにしものを(久安百首)
川の瀬になびく玉藻のみがくれて人に知られぬ恋もするかな(古今和歌集)
巻向(まきむく)の穴師(あなし)の河の川風になびく玉藻の乱れてぞ思ふ(新勅撰和歌集)
乱るとも人知らめやもかげろふの岩垣淵(いはがきふち)の底の玉藻は(続古今和歌集)
知られじな古き入り江のみこもりになびく玉藻のしたの乱れは(続後拾遺和歌集)
ありしより乱れまさりて海人(あま)の刈るものおもふ身を君は知らじな(新勅撰和歌集)
思ひ河いつまで人になびき藻のしたに乱れて逢ふ瀬待つらむ(新後撰和歌集)
沖へにも寄らぬ玉藻の浪のうへに乱れてのみや恋ひわたりなむ(古今和歌集)
うきしづみ我ぞこがるる藻刈舟(もかりぶね)人はこころも寄せぬ水際(みぎは)に(新千載和歌集)
わが恋は海人の刈る藻に乱れつつかわく時なき波のした草(千載和歌集)
玉藻刈る野島の浦の海人だにもいとかく袖はぬるるものかは(千載和歌集)
狩り人のころも摺(す)るてふかきつばた花咲くときになりにけるかな(夫木抄)
たれしかも衣(きぬ)に摺るらしかきつばた浅沢小野(あささはをの)に今さかりなり(宗尊親王三百六十首)
すみの江の浅沢小野のかきつばた衣(きぬ)に摺りつけ着む日知らずも(万葉集)
むらさきの色は深きをかきつばた浅沢小野にいかで咲くらむ(夫木抄)
田子(たご)がすむ山下水のかきつばたむべ葡萄染(えびぞめ)の色に咲きけり(夫木抄)
深き色の心ことにぞにほふめる誰(た)が住むやどの杜若ぞも(堀河百首)
見ればなほ色なつかしき杜若わが袖摺らむ花は散るとも(新撰和歌六帖)