「つがい(番)」の語義として、「〔接尾〕組になっているものを数えるのに用いる。」という語釈があり、日本国語大辞典・第二版では、『今鏡』(1170年)からの例を早い用例としてあげていますが、さらに、183年ほどさかのぼる用例があります。
きみが名もわが名もをしのひとつがひおなじえにこそすままほしけれ
(4・古今和歌六帖、第三、をし、1479)
『新編国歌大観 第二巻 私撰集編 歌集』角川書店、1984年、214ページ
「つがい(番)」の語義として、「〔接尾〕組になっているものを数えるのに用いる。」という語釈があり、日本国語大辞典・第二版では、『今鏡』(1170年)からの例を早い用例としてあげていますが、さらに、183年ほどさかのぼる用例があります。
きみが名もわが名もをしのひとつがひおなじえにこそすままほしけれ
(4・古今和歌六帖、第三、をし、1479)
『新編国歌大観 第二巻 私撰集編 歌集』角川書店、1984年、214ページ
「吹きさやぐ」という用語は日本国語大辞典・第二版には立項されていませんが、以下のような複数の用例があります。
水郷寒蘆
汀なる芦のしほれにふきさやきこほりもよほすゝまの濱風
(巻第三百九十・為家卿藤川題百首、冬十首)
『続群書類従・第十四輯下(訂正三版)』1983年、822ページ
00389 為家
ふきさやく-みやまあらしの-ささのはに-ぬるよすくなく-ふるあられかな
(弘長百首~日文研HPより)
吹きさやぐ夜風をさむみおほかののたかばかりしき臥しぞわびぬる
(夫木和歌抄・巻第二十二・野)
『校註国歌大系・22巻』国民図書、1930年、58ページ
00034
竹の葉にあけかたしろく霜さえてふきさやく風もおとそこほれる
00036
ふきさやく竹の葉かせはまとさむしすたれにかかる雪のゆふくれ
(院六首歌合~日文研HPより)
小川の岸のねこやなぎ銀の芽をふきさやぐ時~
(松田瓊子全集 - 第 4 巻 - 26 ページ、1997年 ~GBSより)
「仮の契り」という用語の早い用例として、日本国語大辞典は14C後の例をあげていますが、100年以上さかのぼる用例があります。
ふみ分くるしののは草のしののめにかりの契のわかれをぞしる
(35・宝治百首、寄草恋、隆祐、2867)
『新編国歌大観 第四巻 私家集編2 定数歌編 歌集』角川書店、1986年、426ページ
おくしもの-したにくちそふ-ふゆくさの-かりのちきりも-いつたえにけむ
(道助法親王家五十首・924)~日文研HPの和歌データベースより
「道芝」という単語の「④道のこと。」という語釈の用例は、日本国語大辞典・第二版では、『日葡辞書』(1603-04年)の語義が明示されている例が早いのですが、400年以上さかのぼる用例などがあります。
道芝のさけるのみかは真葛原巻くほどにみな野はなりにけり
(天永元年四月廿九日-右近衛中将師時山家五番歌合・18)
『平安朝歌合大成 増補新訂 第三巻』同朋舎出版、1704ページ
あかずしてわかるる今朝の道芝はかずより外の露や置きそふ
(林葉集、第五・恋、744)
『新編国歌大観 第三巻 私家集編1 歌集』角川書店、1985年、510ページ
清輔朝臣家歌会
七二二 あはでのみゆきてはかへるみちしばやわがこひくさのしげるなるらむ
(教長集)
『新編国歌大観 第三巻』~古典ライブラリーの日本文学Web図書館より
三二二 いもとねてかへるあしたのみちしばにこぼるるつゆはなみだなりけり
(有房集)
『新編国歌大観 第四巻』~古典ライブラリーの日本文学Web図書館より
たびのみちのあられ
四六 あめかとてくもればいそぐみちしばにまづたばしるはあられなりけり
(頼輔集)
『新編国歌大観 第七巻』~古典ライブラリーの日本文学Web図書館より
おもひいる-こひのみちしは-あきすきて-とはてかれぬる-くさのはらかな
(後鳥羽院御集・959)~日文研HPの和歌データベースより
正清一人御供にて、辿り辿りと道芝の、裾は露やら涙やら
(松の葉)
「道芝の露」という用語の用例は日本国語大辞典・第二版では、『有明の別』〔12C後〕からの例が早いのですが、150年ぐらいさかのぼる用例など、他にさかのぼる用例が複数あります。
きえかへりあるかなきかの我が身かなうらみてかへるみちしばのつゆ
(小大君集、62)
『新編国歌大観 第三巻 私家集編1 歌集』角川書店、1985年、140ページ
なつのひの-あしにあたれは-さしなから-はかなくきゆる-みちしはのつゆ
みちしはの-つゆとおきゐる-ひとにより-わかたまくらの-そてもかわかす
(和泉式部集・24、893)~日文研HPの和歌データベースより
さらぬたに-なみたのかかる-わかそてを-かくれぬらしそ-みちしはのつゆ
(堀河院艶書合-康和四年閏五月・43)~日文研HPの和歌データベースより
あかなくに-おきつるたにも-あるものを-ゆくへもしらぬ-みちしはのつゆ
(為忠家初度百首・恋・620・俊成)~日文研HPの和歌データベースより