EU本部のあるブラッセル(ベルギー)にて現地午後3時スタートで予定されていたユーロ圏財務相会合は、1時間半遅れの午後4時半に始まり、約4時間半の交渉を経て暫定合意にこぎ着けることになった。結果は、事前に6ヵ月の支援延長を申請する意向を伝えていたギリシャに対し、4ヵ月の支援延長が決まり当座の危機は回避されることになった。
市場が予想していたように危機は土壇場で回避され、やはり“オオカミは来なかった(いつものように危機は現実化しなかった)”ということになった。NY株はダウもS&P500種も最高値更新となった。気が付けば知らぬ間にNasdaqも5000ポイント接近でITバブル崩壊後15年ぶりの高値更新(5132ポイント)も指呼の間になった。金の方は、反落となり1204.90ドルでフロア(通常取引)は終わったものの、時間外でさらに1200ドル割れまで売られた。
さて合意がなったギリシャ問題だが、まさに“暫定”の合意で、実態は単に目先の混乱を回避したに過ぎない。4ヵ月の延長の承認は、ギリシャ側が議会承認を経ることなく改革リストを作成し提出できるため、問題はなかろう。そうでないと事態は急変することになる。24日のユーロ圏財務相会合は電話会議の予定ゆえに、問題なければ承認され直ぐに議会の承認が必要な国は手続きに掛ることになる。とはいえ、日本時間の22時の時点で提出されたか否かは不明。
チプラス政権としては、EU債権団側も、もう少し折れるだろうと思っていたふしがあり、誤算というところか。仮に今回の延長策が通って(皆、通ると思っている)、支援が続けられるとしても、4月末までにさらなる具体的な改革プランをギリシャ議会で可決し提出する必要がある。それをEU、ECB、IMFのトロイカ側が承認したうえで実行される。でなければ、4ヵ月でなく2ヵ月で終わることになる。当然ながら緊縮策の継続が盛り込まれることになる。つまり、チプラス政権の選挙公約は守られないことになる。その過程でギリシャ国内では、政権に対する不満も高まる可能性がある。つまり、この問題は、この先も紆余曲折を経ることになりそうだ。現時点では、まさに時間稼ぎという評価になると思われる。
伝えられた “4ヵ月延長で合意”の報道を見て思ったのは6月に重なったか・・・ということ。言うまでもなく6月は節目のFOMC。微妙な政策運営が求められるタイミングでもある。誰が求めるでもなくイベント(材料)のタイミングが重なり、材料どうしが共鳴することで、影響が大きくなることがあるとのも、マーケットの興味深いところであり怖さでもある。
今週は、イエレン議長の議会証言と米GDP改定値の発表。その他、前年比で2009年10月以来のマイナスが予想されている米CPI(消費者物価指数)も、注目事項となっている。金市場は、1200ドルを挟んだ動きか。
花粉症休みでしょうか 復活をお待ちしております
体調など崩されたのでしょうか?
何もなければよいのですが