退院したトランプ大統領。(多分)自ら決めたと思われる退院時間は、東部時間の5日夕刻のニュースアワーに合わせたもので、同時中継を通し新型コロナに(高齢にもかかわらず)予想外に早く打ち勝った強い指揮官として、どう見せるかに力点が置かれたもの。ホワイトハウスに入るや、バルコニーに上り、やにわにマスクを取る仕草は新型コロナを克服したイメージを作り。帰還のために離陸する大統領専用ヘリ、マリーン・ワンに敬礼のポーズは強い司令官を表すもの。ただし、今朝見た英国BBCの映像では、バルコニーに上った際に肩で息をしており、ナレーションは「明らかに息を切らしていた」としていた。マスクを取ったり敬礼などホワイトハウス内での録画は、何度も繰り返し撮影されたBBCは画像とともに伝えていた。そして演出されたものと、実際の体調にギャップがあるのではとしていた。
まさに選挙戦のイメージキャンペーンそのもので、TV討論会と今回の入院で、世論調査の支持率でバイデン候補に差を広げられたとされるので、挽回に躍起という感じで、かくも米大統領選の候補は大変なのだ・・。もっとも、伝えられる支持率自体をフェイク・ニュースとしているが。
そして1夜明けて得意のツィート攻勢が始まった。15日の第2回TV討論会を楽しみにしていると、予定通り参加を表明。新型コロナより一般のインフルエンザの方が深刻だとした書き込みは、事実に異なるとしてツイッターとフェイス・ブックは制限を掛けたとしている。いろいろツィートしている中で、現地時間の6日午後3時前に書き込んだのが件の
「大統領選が終わるまで(新型コロナ対策を巡る)協議を停止するよう代表団に指示した。私は大統領選での勝利後すぐに、勤勉な米労働者と中小企業に焦点を当てた大型の刺激策法案を通過させる(I have instructed my representatives to stop negotiating until after the election when, immediately after I win, we will pass a major Stimulus Bill that focuses on hardworking Americans and Small Business.)」だった。
先週から連日持たれていた、民主党のペロシ下院議長とムニューシン財務長官の“電話”協議について、散々期待を持たされていた、あるいは、(ここに来ての雇用状況から当然)、何らかの合意はなると勝手に期待を膨らませていた市場は梯子を外されることになった。当方はもともと、共和党議会指導部は、この段階での民主党の追加策を飲むつもりはないと思っているので、成立しないと思ってきた。特にカリフォルニアなど州や地方政府の救済策でムニューシン財務長官(救済不要)とペロシ下院議長(救済は外せない)との間に溝があるとされるが、そもそも共和党議会指導部の指示によるものと思われる。多くが知事など首長が民主党が占めていることがある。
そもそも追加法案を政争の具にしてきたのは、今に始まったものではなく1カ月前の段階で共和党は、当初1兆ドル規模としていた法案を5000憶ドル規模に減額しており、独自案を3兆ドルから2.2兆ドルに減額して共和党と妥協を図ろうとした民主党と折り合えないことを承知の上で動いていた。選挙を前にした一種の政治ショーのような感じだったが、実体経済はそうは行かない。だから、「決められない政治」がリスクとしてきた。
そこに大統領自身が何を思ったか、経済対策の有無を選挙のカードとして切ったわけだ。ただし、株価の急落を受けて慌てたのか、その後は目先の支援策(刺激策)を打つ意向のツィートを、日本時間の本日午前から連発している。ナンシー・ペロシ(下院議長)が大嫌いな大統領は、にわかに繰り出そうとしている支援策に取り合わない責めを下院議長に負わそうとしている。
対応が遅れるばかりに、必要となる刺激策は大きなものが必要になると思われる。したがって、リスクオフでドルが買われ金が売られ・・などということになっても、それは流れを変えるものでなく一過性のことと思われる。
本日は昨日、更新を空けたので2日分ということで。
まさに選挙戦のイメージキャンペーンそのもので、TV討論会と今回の入院で、世論調査の支持率でバイデン候補に差を広げられたとされるので、挽回に躍起という感じで、かくも米大統領選の候補は大変なのだ・・。もっとも、伝えられる支持率自体をフェイク・ニュースとしているが。
そして1夜明けて得意のツィート攻勢が始まった。15日の第2回TV討論会を楽しみにしていると、予定通り参加を表明。新型コロナより一般のインフルエンザの方が深刻だとした書き込みは、事実に異なるとしてツイッターとフェイス・ブックは制限を掛けたとしている。いろいろツィートしている中で、現地時間の6日午後3時前に書き込んだのが件の
「大統領選が終わるまで(新型コロナ対策を巡る)協議を停止するよう代表団に指示した。私は大統領選での勝利後すぐに、勤勉な米労働者と中小企業に焦点を当てた大型の刺激策法案を通過させる(I have instructed my representatives to stop negotiating until after the election when, immediately after I win, we will pass a major Stimulus Bill that focuses on hardworking Americans and Small Business.)」だった。
先週から連日持たれていた、民主党のペロシ下院議長とムニューシン財務長官の“電話”協議について、散々期待を持たされていた、あるいは、(ここに来ての雇用状況から当然)、何らかの合意はなると勝手に期待を膨らませていた市場は梯子を外されることになった。当方はもともと、共和党議会指導部は、この段階での民主党の追加策を飲むつもりはないと思っているので、成立しないと思ってきた。特にカリフォルニアなど州や地方政府の救済策でムニューシン財務長官(救済不要)とペロシ下院議長(救済は外せない)との間に溝があるとされるが、そもそも共和党議会指導部の指示によるものと思われる。多くが知事など首長が民主党が占めていることがある。
そもそも追加法案を政争の具にしてきたのは、今に始まったものではなく1カ月前の段階で共和党は、当初1兆ドル規模としていた法案を5000憶ドル規模に減額しており、独自案を3兆ドルから2.2兆ドルに減額して共和党と妥協を図ろうとした民主党と折り合えないことを承知の上で動いていた。選挙を前にした一種の政治ショーのような感じだったが、実体経済はそうは行かない。だから、「決められない政治」がリスクとしてきた。
そこに大統領自身が何を思ったか、経済対策の有無を選挙のカードとして切ったわけだ。ただし、株価の急落を受けて慌てたのか、その後は目先の支援策(刺激策)を打つ意向のツィートを、日本時間の本日午前から連発している。ナンシー・ペロシ(下院議長)が大嫌いな大統領は、にわかに繰り出そうとしている支援策に取り合わない責めを下院議長に負わそうとしている。
対応が遅れるばかりに、必要となる刺激策は大きなものが必要になると思われる。したがって、リスクオフでドルが買われ金が売られ・・などということになっても、それは流れを変えるものでなく一過性のことと思われる。
本日は昨日、更新を空けたので2日分ということで。