亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

不協和音伝えられる金融サミット、果たして・・。

2009年04月01日 23時17分41秒 | 国際情勢
3月15日にここに「週明けが気になるG20の結果」と題して、日本時間の明日開かれる「金融サミット」の事前会合の結果が、実のあるものとは思えないという内容で書いた。ただ、その時の国内各メディアは協調を前面に出して一定の評価をしていた。

さて数時間後に本チャンの会議が始まるのだが、やはり意見の違いは埋まっていない状況が伝えられている。まず、米国が要求する協調的な追加(景気)刺激策については欧州サイドは、既に実施しているもので十分というスタンスとされている。シュタインブリュック独財務相など「これ以上、意味はない」と語ったとか。さらに金融取引の規制の中身や範囲、スキームについて、「十分な内容が盛り込まれないようならコミニュケの調印はしない」とサルコジ仏大統領が意思表明との話も。確かに足元の世界的金融危機の処方箋というよりまったく無関係とは言えないがIMFの改革問題や、財政支出上の共同歩調など首脳陣が集まったわりに具体性に欠ける結果に終わる可能性はある。議長役のゴードン・ブラウン英首相は保護主義の台頭を抑えることに力を入れているように見える。これは正論。しかし、こうした国際会議の場ではみな建前として保護主義排除だが、対国内向けには個別の産業支援策という(実質的な)保護主義の採用に動くという流れもあり、一筋縄ではいかない。それにしても意見割れは、金融市場にとって悪材料となる。果たして実のある話ができるのか否か。

かつて大恐慌の最中の1933年にもロンドンにてこうした話し合いが、数日にわたり開催されたが合意には至らなかったとされる。結果を見守ろう。

ところで週末の米雇用統計の前哨戦とでも呼べる給与計算など雇用サービスを業とするADPが発表する民間部門の雇用者数の増減のデータが、少し前に発表された。なんと74万2000人の雇用減となっている。データを取り始めて以来の最悪の数字とのこと。またまたun-precedentedな(前例のない)数字が出てきた。予想は65万6000人だった。元より悪いことは予想されているが、それを上回る悪化。先週、株が上がりマーケットに楽観ムードが広がる中で、複数の地区連銀総裁が楽観を戒めるようは発言をしていたが、昨日発表の住宅価格指数(S&Pケースシラー住宅指数)にしても、このADPのデータにしても簡単に事は運ばないことを示している。

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