亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

QE2相場は広範囲

2010年11月04日 21時46分03秒 | 金市場

報じられたように来年6月末すなわち上半期までの8ヵ月に毎月750億ドル、総額6000億ドルの国債の買い付けが決まった。その評価は発表当初は“微妙”、しかし織り込んでいた(ミニマム)5000億ドルはクリアにつき、相応の規模の量的緩和に乗り出したことはプラスとの評価がジワリと浮上。

とりわけ声明文の「買取りのペースと買取りプログラム全体の規模を(入手された情報に照らし)定期的に見直す」という部分を、“将来の買取り規模拡大もアリ”と好感。国債買取りの規模にしても、この8月から始めている保有するMBS(住宅ローン担保証券)の償還分の国債への振り替えを含めるとほぼ毎月1000億ドルとなり、総額8000億ドルの規模となる。

 

さて金市場では、FOMCの結果待ち模様眺め、更には発表後の市場の評価を見ようとの動きから商いは薄く上下に値が飛んだ。噂で買って事実で売る・・・とは過去の経験則から生まれた一般的な分析だが、その“事実で売る”度合いを見たかった、すなわち“(緩和策の)織り込み度合い”を売りの規模で計ろうという機運が市場にはあった。結果的に、3日のフロア取引終了後のNY時間外で前日比変らずの水準に戻したことで、その売りも一巡という形。

 

むしろ下げ過程で2日に書いたように足元の需給の締まりが、結局直近の安値水準の1310ドル台にも至らぬところで支える働きをしたということだろう。ここから、「QE2」環境を前提としたZIGZAG下値切り上げ相場が始まる。銅などまで金融相場になろうとしているが、カネ余りの商品相場上昇が再び問題になりそうだ。供給されたマネーは高い利回りを求めて外に出る。それがドルの下押し圧力となる。

資産効果はバーナンキFRBの狙いの一つだろうが、コントロールは利かせにくい。将来行き過ぎて慌ててその為の引き締めをやると、80年前に歴史は戻る可能性もある。何だかなぁ。。QE2相場は広範囲。

 


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