景気の減速傾向が高まるならば追加緩和もあり、という内容の5月1日のFOMC(連邦公開市場委員会)の声明文。仮に3月に続き4月の雇用も低迷するようであれば1500ドル突破を目指すような金価格の戻りも考えられたが、結果は雇用増は予想を上回る16万5000人の増加。さらに前回ネガティブ・サプライズとなった8万8000人増の3月のデータは13万8000人に上方修正。2月のデータに至っては今回で2度目の上方修正で33万2000人の増加となった。こうなると、捉え方は反転する。再び売り先行の市場展開に舞い戻ることに。旺盛な実需の買いは先週も続いたが、そろそろ一巡感が出るタイミング。次回のFOMCは6月18‐19日に予定されている。景気見通しを示すことと終了後バーナンキ議長の記者会見も予定されており、何らかの方向性を示唆するのは必定で要注目。
5月1日のメーデーを挟んで連休の中国では、旅行者が上海など都市部へ観光方々来て、金宝飾品を買っていくというのがブームで、先週もNHKが扱っていた上海RTSのニュースでは当方も行ったことのある豫園にある大手宝飾店のショーケースが空っぽになっている映像が紹介されていた。どれほどの金宝飾品が陳列されていたかわかるだけに、たしかに凄い売れっぷりではある。プレミアムも当たり前のように付くだろう。
いまの金市場は、いわば「金を欲しい人」と「金価格を欲しい人(金はいらないが価格を動かしたい人)」のせめぎ合いということで、当座は価格を欲しい人人が主導する展開。