亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

「金を欲しい人」と「金価格を欲しい人」の対峙

2013年05月07日 23時46分41秒 | 金市場

景気の減速傾向が高まるならば追加緩和もあり、という内容の5月1日のFOMC(連邦公開市場委員会)の声明文。仮に3月に続き4月の雇用も低迷するようであれば1500ドル突破を目指すような金価格の戻りも考えられたが、結果は雇用増は予想を上回る16万5000人の増加。さらに前回ネガティブ・サプライズとなった8万8000人増の3月のデータは13万8000人に上方修正。2月のデータに至っては今回で2度目の上方修正で33万2000人の増加となった。こうなると、捉え方は反転する。再び売り先行の市場展開に舞い戻ることに。旺盛な実需の買いは先週も続いたが、そろそろ一巡感が出るタイミング。次回のFOMCは6月18‐19日に予定されている。景気見通しを示すことと終了後バーナンキ議長の記者会見も予定されており、何らかの方向性を示唆するのは必定で要注目。

5月1日のメーデーを挟んで連休の中国では、旅行者が上海など都市部へ観光方々来て、金宝飾品を買っていくというのがブームで、先週もNHKが扱っていた上海RTSのニュースでは当方も行ったことのある豫園にある大手宝飾店のショーケースが空っぽになっている映像が紹介されていた。どれほどの金宝飾品が陳列されていたかわかるだけに、たしかに凄い売れっぷりではある。プレミアムも当たり前のように付くだろう。

いまの金市場は、いわば「金を欲しい人」と「金価格を欲しい人(金はいらないが価格を動かしたい人)」のせめぎ合いということで、当座は価格を欲しい人人が主導する展開。

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